次世代型パワーモジュール向け焼結型接合材料2種類を開発FAニュース

三菱マテリアルは、次世代型パワーモジュール向け焼結型接合材料を新たに2種類開発した。 低温、不活性雰囲気での接合が可能な焼結型銅接合材料と、短時間での接合が可能なコアシェル型接合材料の2種類で、どちらも高い耐熱性を有する。

» 2019年03月22日 07時00分 公開
[MONOist]

 三菱マテリアルは2019年3月6日、次世代型パワーモジュール向け焼結型接合材料の新製品を開発したと発表した。低温焼結性を持つサブミクロン銅粒子を用いた接合材料(焼結型銅接合材料)と、銅にすずを被膜させたコアシェル型粒子を用いた接合材料(コアシェル型接合材料)の2種類。どちらも高い耐熱性を有する。

 ハイブリッド自動車に使用する高出力モーター電源制御用インバータモジュールなど、次世代型パワーモジュールの普及が進んでいるが、従来の素子接合材料である鉛フリーはんだは融点が200℃程度のため、耐熱性が不十分だった。

 焼結型銅接合材料は、低温分解性の有機分子でコーティングされており、低温、不活性雰囲気で接合できる。従来は、活性ガスによる還元処理で銅粉末表面の酸化膜を除去していたが、この処理が不要になった。

 また、液相焼結によって金属間で化合物を接合する際は、熱処理に長い時間を要したが、新開発のコアシェル型接合材料は、すずと銅のコアシェル構造により反応が活性化し、短時間での接合が可能だ。

photo サブミクロン銅粒子(クリックで拡大) 出典:三菱マテリアル
photo コアシェル型粒子(クリックで拡大) 出典:三菱マテリアル
photo 高温半導体素子使用時の模式図 出典:三菱マテリアル

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