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» 2019年03月25日 06時30分 公開

東京モーターサイクルショー 2019:重い鉛電池を置き換える、バイク始動用リチウム電池が一般販売

エリーパワーは、「第46回 東京モーターサイクルショー」(2019年3月22〜24日、東京ビッグサイト)に出展し、アフター市場向けに2019年4月15日から一般販売を開始する二輪車始動用リチウムイオン電池「HYバッテリー」を展示した。

[松本貴志,MONOist]

 エリーパワーは、「第46回 東京モーターサイクルショー」(2019年3月22〜24日、東京ビッグサイト)に出展し、アフター市場向けに2019年4月15日から一般販売を開始する二輪車始動用リチウムイオン電池「HYバッテリー」を展示した。

二輪車始動用リチウムイオン電池「HYバッテリー」(右)と同性能の鉛電池とのサイズ比較(クリックで拡大)

 リチウムイオン電池は同容量の鉛電池と比較して小型軽量、低い自己放電特性、長寿命などが長所となる。しかしながら、リチウムイオン電池は衝撃を受けた場合の安全性や低温時の出力、充電特性が課題とされ、二輪や四輪市販車の始動用バッテリーでは鉛電池が依然として多く用いられている。

 そこで同社はテクニカルスポンサーとして、HYバッテリーをホンダ・レーシングのモトクロスレースマシンやKawasaki Team GREENなどの全日本ロードレースマシンに供給し、二輪レースの舞台で始動用リチウムイオン電池の開発を進めてきた*)。圧壊しても燃えることのない安全性や低温始動性、耐久性を高めたことで、2016年からはホンダの市販車「CBR1000RR Fireblade SP/SP2」や「CRF1000L Africa Twin」などに純正採用された。

※)関連記事:ホンダのモトクロス参戦車がリチウムイオン電池を始動用バッテリーにした理由

HYバッテリーの特徴(クリックで拡大)

 今回アフター市場向けに一般発売するHYバッテリーは「HY93-C」「HY110」の2製品となる。HY93-Cはサイズが112×70×93mm、質量が1.1kg、定格容量が4.5Ah、CCA(コールドクランキング電流)が110A以上。HY110はサイズが112×70×110mm、質量が1.4kg、定格容量が6.0Ah、CCA(コールドクランキング電流)が120A以上。鉛電池の同等性能品と比較して軽量であるため、マスの集中化などバイクの運動性能向上にも期待できる。

 両製品とも定格電圧は12Vで、使用温度範囲は−10〜65℃となる。価格はHY93-Cが3万7790円、HY110は4万4460円(全て税別)。取り付け可能な車種は3気筒以上のエンジンを搭載し、アイドリングと走行時の充電電圧が13.8〜14.7Vのバイクとしている。

HY93-CとHY110の仕様(クリックで拡大) 出典:エリーパワー

四輪車でも始動用リチウムイオン電池の実用化を目指す

 エリーパワーとマツダ、宇部興産は2018年3月、四輪車始動用バッテリー向けリチウムイオン電池の共同開発を発表していた。2021年の実用化を目指し、「開発を続けている」(エリーパワー担当者)とする。

 四輪車の始動用バッテリーは一般的にエンジンルームへ設置されるため、バッテリーの周囲温度が70℃を超える高温となる場合がある。また、四輪車は−10℃以下の気温が珍しくない寒冷地でも広く用いられるため、二輪車の始動用バッテリーよりも広い動作温度範囲で安全性と始動性を確保することが求められる。

 同共同開発では、各社が得意の技術を持ち寄り四輪車用の始動用リチウムイオン電池の開発を進める。動作温度範囲の拡大では、低温側をエリーパワーが電極構造と材料に着目して開発を行うことで「周囲温度が−30〜−20℃でも始動できる低温性能を確保した」(エリーパワー担当者)。また、高温側も宇部興産が引火点を約100℃まで引き上げた電解質を開発することで安全性を確保する方針だ。

 マツダ以外の自動車メーカーへ同電池を提供するかについては「現時点で回答できないが、提供先が増えることで量産効果は高まる」(同氏)とし、前向きな姿勢を見せた。

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