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» 2019年04月11日 06時00分 公開

ドローン:時速100kmのドローンが衝突回避、1km四方で100機飛ばす管制システムの検証も (1/2)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県南相馬市は2019年4月10日、東京都内で会見を開き、ロボット関連人材の育成などに関する協力協定を締結したと発表した。具体的な協力として、2019年度はさまざまな企業が参加して1km2のエリアで100機のドローンを飛ばす他、南相馬市ー浪江町間の13kmで長距離飛行試験を予定している。

[齊藤由希,MONOist]
写真左からNEDO 理事長の石塚博昭氏と南相馬市長の門馬和夫氏(クリックして拡大)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県南相馬市は2019年4月10日、東京都内で会見を開き、ロボット関連人材の育成などに関する協力協定を締結したと発表した。具体的な協力として、2019年度はさまざまな企業が参加して1km2のエリアで100機のドローンを飛ばす他、南相馬市ー浪江町間の13kmで長距離飛行試験を予定している。

 南相馬市と、隣接する浪江町には、ロボットの性能評価やドローンの飛行試験などを実施できる研究開発施設「福島ロボットテストフィールド」がある。また、ロボットやドローンを使った民間企業の実証実験が盛んに行われている他、企業の誘致も進めている。

 NEDOは、ドローンの社会実装に向けたプロジェクト「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESS)」の取り組みや、NEDO企画の技術者向け講座で福島ロボットテストフィールドを活用する。南相馬市は福島ロボットテストフィールドを通じて新産業創出や人材育成など産業振興を進め、東日本大震災からの復興につなげたい考えだ。

狭いエリアで100機のドローンを安全に飛ばす

飛行計画の管理画面のイメージ。飛行ルートが交錯する場合のルート修正などを行う(クリックして拡大)

 DRESSプロジェクトでは、多くの物流ドローンが都市部で飛行できることや、有人ヘリコプターなどと同一空域で安全に飛行できることを目指している。そのためには、企業がドローンをどのように飛ばすか飛行計画を回収すること、各社のドローンの飛行ルートが交錯しないか、飛行禁止区域の上空を飛ばないかについての検証、実際の飛行ルートが飛行計画から逸脱していないかどうかのモニタリングといった管制システムが必要だ。また、管制システムでも管理しきれない飛行計画からの逸脱があった場合に、衝突を回避するためにドローンに搭載する制御システムも不可欠だ。

 NEDOは2018年度までに管制システムや衝突回避システムの検証を実施しているが、2019年度はそれらの検証を発展させた実験を予定している。管制システムに関しては、2018年度にNTTドコモやセコム、楽天、日本郵便の4社が10機のドローンを飛ばし、運行管理が正常に作動することを確認した。4社がドローンを飛ばしたのは、福島ロボットテストフィールド内の900m×600mの狭いエリア。オペレーターの目視外で自律飛行させた。

 管制システムの各機能のうち、飛行計画の管理をNECが、空域情報管理をNTTデータが、実際の飛行状況の管理を日立製作所が開発した。管制システムとドローンを飛ばす4社に向けては、ドローンが飛ぶエリアの3次元地図や気象情報も提供された。3次元地図はゼンリンが、気象情報は日本気象協会が提供した。

 2019年度は、引き続き福島ロボットテストフィールドを利用し、1km2のエリアで100機のドローンを飛ばす計画だ。飛行時間も前回の実証の15分間から延長して1時間とする。実証に参加する企業を増やすため、DRESSプロジェクトに参加していない事業者向けに管制システムに接続するためのAPIを公開する予定だ。

 飛ばすドローンの台数が増えることは、管制システムを手掛けるNEC、NTTデータ、日立製作所にとって大きなハードルではなさそう。「滑走路で離着陸することが前提の旅客機に対し、ドローンは離着陸場所の自由度が高い。ドローンを扱う企業が提出する飛行計画を手動で管理することは難しいと初期段階から考えており、各社の飛行計画の突き合わせはAI(人工知能)でチェックしている。ドローンの台数増加はサーバの能力増強で対応可能だ」(NECの担当者)。

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