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» 2019年04月12日 06時30分 公開

製造業IoT:AP増設工数を10分の1に削減、アライドテレシスが無線LAN新技術を発表 (1/2)

ネットワーク機器を製造販売するアライドテレシスは2019年4月11日、無線LANアクセスポイント同士を無線接続することで容易に無線LAN環境を拡張できる「AWC-SC(Autonomous Wave Control Smart Connect)」を開発したと発表した。

[松本貴志,MONOist]

 ネットワーク機器を製造販売するアライドテレシスは2019年4月11日、無線LANアクセスポイント同士を無線接続することで容易に無線LAN環境を拡張できる「AWC-SC(Autonomous Wave Control Smart Connect)」を開発したと発表した。同技術ではシングルチャンネルで高密度にアクセスポイントを設置でき、高品位な無線ネットワーク環境の構築と接続デバイスの稼働位置の測位を実現する。

AWC-SCの概要(クリックで拡大)

京都大学との共同研究で生まれた独自の電波調整技術「AWC」

 家庭やオフィス内のワイヤレス化、工場における機器データの遠隔取得など、無線LANは多くのシーンで活用されている。安定かつ高速な無線LAN環境の容易な構築を実現するため、各ネットワーク機器ベンダーは独自の技術開発でしのぎを削る。アライドテレシスもその1社だ。

 同日に開催されたアライドテレシス戦略発表会で、同社 上級執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長の佐藤誠一郎氏は「無線LANには課題が山積している」と語る。安定した無線LAN環境の構築には、提供エリアに過不足なく電波を送信するようにアクセスポイントの配置が重要となる。

 有線バックホールによるアクセスポイント追加は、現状の電波状況調査(サイトサーベイ)を行い電波干渉の影響などを確認することから始まる。また、アクセスポイントとネットワークスイッチ間のイーサネットケーブル配線工事、ネットワークスイッチの設定変更といった多くの作業が必要だ。

 WDS(Wireless Distribution System)やメッシュネットワークなど無線バックホールによるアクセスポイント追加では、イーサネットケーブルの配線作業は不要になる。一方で、依然としてサイトサーベイは必要となり、かつバックホール全体で同一のチャンネルを用いた場合はスループットの低下も問題となる。また、一度アクセスポイントを設置した後も障害物によって不感地帯を形成したり外部から阻害波を受けたりなどして、提供エリア内の電波状況が変わることがある。よって定期的なメンテナンス作業も必要としていた。

 これらの課題を解決するため、同社は2017年に京都大学と共同で自律型無線LAN「AWC」を開発した。AWCは簡易サイトサーベイと電波調整をアクセスポイントが自律的に行う技術で、専任者や専門知識を必要とせずにエンタープライズレベルの無線LAN環境を構築、維持することができる。

AWCの概要(クリックで拡大)

 また、2018年にはアクセスポイントごとに異なるチャンネルを用いるセル方式と、全アクセスポイントで同一チャンネルを用いるブランケット方式の利点を組み合わせたハイブリッド方式「AWC-CB(Channel Blanket)」の提供を開始した。AWC-CBはローミングレスであるため、デバイスがアクセスポイント間を移動した場合でも遅延や切断が発生しないことがメリットだ。

AWC-CBの概要(クリックで拡大)

 佐藤氏は同技術の開発によって製造業の顧客が増えていると紹介し、「セル方式ではIoT端末がアクセスポイントを移動すると、ローミングが発生しパケットロスが生じる。AWC-CBではミッションクリティカルな業種でも送信データをロスなく受信できる」とメリットを強調した。

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