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» 2019年05月28日 08時30分 公開

メイドインジャパンの現場力(24):VAIOの技術力を継ぐ自動飛行ドローン、その生産現場を見る (1/2)

農業用ドローンを開発するナイルワークスとVAIOは2019年5月24日、ナイルワークスが開発する完全自動飛行ドローン「Nile-T19」の出荷式を開催。同製品の量産を担当するVAIO安曇野工場と飛行検査の様子が公開された。

[松本貴志,MONOist]

 農業用ドローンを開発するナイルワークスとVAIOは2019年5月24日、ナイルワークスが開発する完全自動飛行ドローン「Nile-T19」の出荷式を開催。同製品の量産を担当するVAIO安曇野工場と飛行検査の様子が公開された。

出荷式の様子(クリックで拡大)

 VAIOは2018年11月、主力のPC事業に加えてEMS(電子機器受託生産サービス)事業とソリューション事業に注力することを発表している。同社は2015年からEMS事業を開始し、PC事業で培った製造技術を活用してバンダイの「ガンシェルジュ ハロ」やトヨタ自動車の「KiROBO mini」など、比較的小型サイズのコミュニケーションロボット領域で生産実績を重ねてきた。

 一方で、VAIOが受託製造するNile-T19は機体サイズが1800×1400mmと大型、かつドローン制御基板の電子部品実装から機体の最終組み立て、梱包(こんぽう)までを一貫して請け負うという案件となる。同社EMS事業において挑戦的な試みの1つだったといえるだろう。

Nile-T19の外観(クリックで拡大)

 ナイルワークスは「日本の農業を世界最先端にする」(同社社長の柳下洋氏)ことを掲げ、2015年1月に創業したベンチャー企業だ。Nile-T19は30ha以上の稲作農家を対象とした農業用ドローンで、同社初の量産機となる。

 速度や地磁気、RTK(Real Time Kinematic)-GPSなど12種類のセンサーを搭載したNile-T19は、飛行シチュエーションや空域に応じてセンサーフュージョンを柔軟に行うことで±2cmの水平位置精度と±5cmの高度精度を実現した。作業者は操作端末の「開始ボタン」をタップするだけで設定ルートを完全自動飛行し、農作業で大きな負担となっていた農薬散布や生育データ収集などを正確に実行する。

PC事業で研さんした安曇野の技術、ドローンに生きる

 出荷式の前に行われたVAIO安曇野工場の見学会では、PCとNile-T19の生産、検査工程を来場者に紹介した。

 見学会で公開された組み立てラインでは、同社製ノートPCのVAIO S11と同S13、そして同SX14のディスプレイ部とパームレスト部を担当している。CTO(注文仕様生産)商品では「数千通り」(同社担当者)の部品パターンが存在するため、生産する商品それぞれに生産システムと連携する固有のIDを割り当て、各工程でIDを読み込ませながら作業を行う。

左:見学したラインで生産されるディスプレイ部とパームレスト部 右:商品には固有IDがそれぞれ割り当てられる(クリックで拡大)
左:パームレストと樹脂パーツは軽量化、強じん化のために接着剤で接着される 右:接着後のパームレストを検査している様子(クリックで拡大)
左:組み立て後には検査用OSとソフトウェアをインストールし、初期検査とエージングを行う 右:IDを読み取ると、キッティングすべきマニュアルが収められた棚ランプが点灯。作業者のキッティング作業を支援する(クリックで拡大)
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