特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

まずは「Jetson Nano」の電源を入れて立ち上げるJetson Nanoで組み込みAIを試す(1)(1/2 ページ)

NVIDIAが価格99ドルをうたって発表した組み込みAIボード「Jetson Nano」。本連載では、技術ライターの大原雄介氏が、Jetson Nanoの立ち上げから、一般的な組み込みAIとしての活用までを含めていろいろと試していく。第1回は、まず電源を入れて立ち上げるところから始める。

» 2019年05月30日 10時00分 公開
[大原雄介MONOist]

⇒連載「Jetson Nanoで組み込みAIを試す」バックナンバー

 2019年4月に米国のサンノゼで開催された「GTC 2019」で発表された「Jetson Nano」。メルマガの編集後記でもちょっとした試用レポートが上がっているが、国内でも既に販売が始まっている(秋葉原のショップで同年5月下旬に店頭販売も始まったが、初回出荷分は瞬殺された模様)。価格はおおむね1万2800円前後(ショップによって多少差があり)である。【訂正あり】

 このJetson Nanoが筆者の手元にもやってきたので、ちょっと試用してみた。まず今回は、電源を入れて立ち上げるところまでをご紹介したい。パッケージ(図1、図2)を開けると、中身はJetson Nano本体と簡単な説明書、それとスタンドだけである。ちなみにスタンドというのは、こんな具合(図3)に使うものである。

図1 図1 パッケージは163mm×107mm×41mm(実測値)と非常に小さい(クリックで拡大)
図2 図2 「Jetson Nano」本体は、下敷きにしている黒のパッケージに包まれていた(クリックで拡大)
図3 図3 ただし、付属のスタンドは強度的にはかなり不安。それもあって筆者は段ボールを適当に切ってスタンドを作った(クリックで拡大)

 ちなみにJetson NanoはSOM(System on Module)構成で、キャリアボード側にはUSB端子や拡張端子などの他、M.2のスロットも用意されている(図4)。

図4 図4 ただし装着できるのはType 2230まで。Type 2280は無理である(クリックで拡大)

【訂正:初出時「装着できるのはType 2242まで」としていましたが「Type 2230まで」の誤りでした。本文は既に訂正済みです】

 一方、ドーターガードとなるSOM側、一見巨大なヒートシンクで中身が見えないが(図5)、裏面にはmicroSDメモリカードのスロットがあるのが分かる(図6)。

図5 図5 一見巨大なヒートシンクで中身が見えない。ヒートシンクを外した写真はこちらに(クリックで拡大)
図6 図6 このmicroSDメモリカードスロットの右の空きが気になるところ。パターンからするとeMMCっぽい感じであるのだが(クリックで拡大)

 さて、キットに含まれているものは以上だが、動作させるためにはさらに以下のものが必要である。

  1. 5V2Aが供給可能なUSB電源アダプター+MicroUSBケーブル、または5V4A供給が可能なACアダプター。取りあえず今回は手持ちのUSB電源アダプター(5V2A)を使った
  2. USBキーボードとマウス
  3. HDMIまたはDisplayPortで接続できるモニター。取りあえずフルHDで表示できれば十分
  4. microSDメモリカード。最低でも容量は16GBが必要。筆者は今回32GB品を用意した
  5. インターネット接続とイーサネットケーブル。Wi-Fiドングルを利用することも可能で、Ubuntu 18.04がサポートしているものなら基本的に利用できるはず(だが、筆者は試していない)。ちなみにNVIDIAは、サポートしている一例として「EDIMAX EW-7811Un」の名前を挙げている。
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