レーザーアークハイブリッド溶接によるアルミと鋼板の新接合技術を開発FAニュース

ダイヘンは、溶融接合が困難なアルミニウム合金と亜鉛メッキ鋼板の異材接合法において、品質・信頼性が高いレーザーアークハイブリッド溶接による接合技術を開発した。2019年度内に製品化する。

» 2019年06月13日 07時00分 公開
[MONOist]

 ダイヘンは2019年5月28日、溶融接合が困難なアルミニウム合金(アルミ)と亜鉛メッキ鋼板(鋼板)の異材接合法において、品質・信頼性が高いレーザーアークハイブリッド溶接による接合技術を開発したと発表した。自動車メーカーを中心に提案を進める。

 新接合技術は、生産性が高く車体の接合に多用されてきたアーク溶接の独自の電流波形制御技術と、精密な入熱制御ができるレーザー技術を組み合わせた独自の溶接接合技術だ。

 アーク溶接法には、独自のシンクロフィード溶接法を改良した「アルミニウム合金用電流波形制御法」を採用。極低入熱で、接合部に必要な溶融金属を極低入熱で供給する。レーザーヘッドは、古河電気工業のビームモード制御技術を採用しており、レーザーを最適な形状、入熱量で接合部に照射することで幅の広いビードを形成する。

 接合強度は、自動車用として使用される6000系アルミと鋼板の接合において、5000系溶接ワイヤとの組み合せにより6000系アルミ部で母材破断する接合強度を持つ。一般的なアルミニウム溶接に使用される5000系ワイヤを溶接材料に用いるだけで、アルミと鋼板を異材接合ができ、他接合法に用いるリベットや接着剤など特殊な接合材料が必要ないため、ランニングコストを低減する。

 異材接合技術としてアーク溶接を基にしているため、現状の溶接ラインに使用されている治具などの設備を流用可能だ。構造部材の素材は、形状や生産工程を大きく変更することなくアルミにできる。

 今後、実用化に向けた製品開発と生産現場でのフィールドテストなどを実施し、2019年度内の市場投入を計画している。

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