特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年06月27日 11時00分 公開

MONOist IoT Forum 福岡2019(前編):日本発の元祖スマート工場が歩む道と、標準化が進む第4次産業革命向け通信規格の動向 (1/3)

MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2019年6月18日、福岡市内でセミナー「MONOist IoT Forum 福岡」を開催した。本稿前編では三菱電機 FAシステム事業本部 FAソリューションシステム部 主席技監 森田温氏の基調講演と、日本OPC協議会 マーケティング部会 部会長である岡実氏によるランチセッションの内容をお伝えする。

[三島一孝,MONOist]

 MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2019年6月18日、福岡市内でセミナー「MONOist IoT Forum 福岡」を開催した。本稿前編では三菱電機 FAシステム事業本部 FAソリューションシステム部 主席技監 森田温氏の基調講演「IoTがもたらす一歩先のものづくり〜『e-F@ctory』の進化と深化〜」と、日本OPC協議会 マーケティング部会 部会長である岡実氏によるランチセッション「OPC UAが注目されているのはなぜか? - その背景と最新動向 -」の内容をお伝えする。

≫MONOist IoT Forumの過去の記事

2003年からスマートファクトリー化に取り組む三菱電機

 三菱電機では現在のスマートファクトリー化への動きを先取りし、2003年から独自のスマートファクトリーコンセプト「e-F@ctory」を展開してきた。「e-F@ctory」は工場内で現場の情報とICT(情報通信技術)を結ぶという仕組みで、現場起点の情報を取得して生産性やコストの改善につなげるものだ。

photo 三菱電機 FAシステム事業本部 FAソリューションシステム部 主席技監 森田温氏

 しかし、コンセプト発表当時はなかなか普及しなかったという。三菱電機の森田氏は「当時は技術面でも、マインドセットの面でも障壁が多く、すぐに定着するという状況ではなかった」と当時を振り返る。しかし「ドイツでインダストリー4.0の動きが盛り上がり始めた2015年頃から急速に関心が高まり、問い合わせが急増した。主力のモデル工場である名古屋製作所には年間1000人以上見学があるなど、引き合いも増えてきた」(森田氏)と現在の状況について語っている。

 「e-F@ctory」は、現場の情報をICTで結んで活用するというコンセプトは明確だったが、実際にはさまざまな試行錯誤を経て進化を続けてきた。2003年にコンセプト発表後は2005年に名古屋製作所のサーボモーター工場、2010年には福山製作所の遮断機工場、2012年には名古屋製作所の電磁開閉器工場とFA機器生産棟と、モデル工場となる自社工場を増やし、その中での実証に取り組み、洗い出した課題に対して機器やサービスの開発を進めてきた。

 「実証を進めていくと上位のICTシステムとの連携をより円滑にするためにはインタフェースが必要ということになり、2005年にMESインタフェースユニットを開発した。その後、エッジ領域での情報処理の重要性が高まる流れに合わせてエッジコンピューティングを担う産業用PC『MELIPCシリーズ』をリリースするなど、製品ラインアップなどを徐々にそろえてきた」と森田氏は進化の歴史について述べている。

 一方でスマートファクトリーを実現するような広範囲な技術領域を三菱電機1社だけでは実現できないことからパートナープログラムである「e-F@ctory Alliance」を発足。「当初はパートナー数100社、システム導入実績700件ほどだったが、2019年に入った段階ではパートナー数700社、システム導入実績1万件以上へと大きく拡大してきている」(森田氏)という。

 さらに、工場にはさまざまなシステム環境が存在しており、それぞれの接続方法が異なっている。データを収集するにしても、それぞれの接続性を確保することなどで非常に大きな負担が生まれていた。これらを解決するために、アドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、日立製作所などとともに「Edgecrossコンソーシアム」を設立。2019年3月時点で会員企業は250社を突破しており、理想的なスマート工場実現に向けた仲間づくりなども積極的に進めている。

 森田氏は「工場での現状を考えればリアルタイム性やセキュリティの問題から全ての情報を直接クラウドに送ることは難しい。一方で現場ではさまざまなメーカーの機器や接続方式があり、接続やデータの整理に大きな手間とコストがかかっていた。これらの負担を軽減し、よりオープンな環境を作っていく狙いだ」と述べる。

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