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» 2019年07月01日 10時00分 公開

製造業IoT:90日で成果を出す! 製造現場へのIoT導入を3フェーズで実践

IoT活用に対する期待が高まっているが、「何から始めたらよいのか分からない」と壁に直面する製造現場は少なくない。そこで重要なのは「できること」と「できないこと」を明確に分け、身の丈に合ったIoT導入を実践することだ。セゾン情報システムズの川田容志氏が、日本電産との協業により提供するIoTクラウド分析サービス「Simple Analytics」を題材に取り上げ、90日間でIoTの成果を出すための3つのフェーズを解説した。

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IoTは「できること」と「できないこと」を明確に分けるべき

 情報システム間をデータでつなぐ技術として1993年に登場した「HULFT」。現在、その採用実績は世界43カ国9600社以上(2019年3月末)に広がっている。特に国内では全日本銀行協会の全ての加盟銀行、日本自動車工業会に加盟する全ての自動車メーカーが導入するなど、絶大な信頼を勝ち取ってきた。

セゾン情報システムズの川田容志氏

 そんなHULFTを提供してきたセゾン情報システムズが、いまIoT(モノのインターネット)の世界へ本格的に足を踏み出そうとしている。背景には何があるのか。「90日で成果を出す! 製造現場IoT 品質向上の最初の一歩と『その先』とは?」をテーマに掲げ、2019年5月29日に開催されたMONOist主催セミナーに登壇したセゾン情報システムズ HULFT事業部 事業開発部 IoT事業開発グループでグループ長を務める川田容志氏は、次のような経緯を示した。

 「セゾン情報システムズと日本電産は2018年3月から協業し、共同してIoTサービス事業を推進しています。日本電産は2014年からIoTへの取り組みを開始し、成果を出すための多くのノウハウを培っています。そこにセゾン情報システムズが持つ安全、安心にデータ連携する技術を融合させ、お客さまに新たな価値を提供していくことになりました」

 こうして2018年4月にリリースしたのが、IoTクラウド分析サービス「Simple Analytics」である。シンプルという名の通り、「簡単に結果を出すこと」に重点を置いたサービスであることが特徴だ。「IoTはどんどん夢が広がり、何でもできると思いがちですが、『できること』と『できないこと』を明確に分けて、身の丈に合ったIoT導入を実践することが重要です。そこでSimple Analyticsでは、コスト削減につながる品質改善と生産性向上に集中して物事を進めます。そこから得られる成果は、原因分析や傾向把握を通じて問題点を発見することです」と同氏は語る。

IoTの成果を90日間で出すための3つのフェーズ

 IoT導入のポイントはどこにあるのか。川田氏は、孔子の弟子である荀子による「着眼大局、着手小局(物事の全体を俯瞰(ふかん)的に捉えつつ、目の前の小さなことに細心の注意を払い実践する)」という言葉を示しつつ、「領域をしっかり定め、小さく始めることが最もやりやすい方法となります」と説いた。

 つまりPDCAサイクルを回すにしても、「Planに時間をかけるのではなく、できるだけ早くDoに取り掛かることが重要」(同氏)となる。さらに結果に関しても、あくまでも数字を見ることにこだわり、その上でトライ&エラーを柔軟に回していくべきとした。

IoT導入のポイント(クリックで拡大) 出典:セゾン情報システムズ

 「数字から『継続して効果あり』という結果が見られたならば、そのテーマを継続するか、さらに深掘りしていきます。また、『継続して効果なし』も一つの結果であり、この場合は現テーマを深掘りするのではなく、新テーマに取り組むことをお勧めします」と川田氏は述べる。この考え方が、本セッションのテーマである「90日で成果を出す」ことの基本となる。そこで実践すべき3つのフェーズについて説明した。

 フェーズ1(1〜30日)で行うのは、テーマ選定とその準備である。まず品質改善や生産性向上に関する課題に対して、現時点で考えられる原因の仮説を立てるとともに、取り組む優先順位を決める。そして業務運用体制やリソース、データなどがそろっているかどうか、実現性を評価する。「やりやすいところから、現存する手持ちのデータで始めることが重要です」と川田氏はアドバイスした。さらに、実現のための測定項目を決めていく。例えば品質改善を目指すのならば、温度、湿度、振動、トルク、回転数、色相など、問題の原因となるデータを取得して分析を回していく。

 続くフェーズ2(31〜60日)で、いよいよシステム構築に着手する。具体的には、センサー設置によるデータ取得と収集、停止中のデータや例外データを除外するデータクレンジング、結果を定量的に評価できるようヒストグラムやx-R管理図などによってレポート作成を行う。

 このフェーズで重要なことはシステムのスクラッチ開発をしないことだ。「無駄な時間やコストをかけないためにも、既存サービスを利用すべきです」と川田氏は強調した。

 そして最終段階のフェーズ3(61〜90日)で行うのが簡易分析だ。フェーズ1で立てた原因仮説を検証し、フェーズ2で作成したレポートから原因を推察、特定する。これに基づいて対策を実行する。そして、先述したように「継続して効果あり」という結果が得られたならばそのテーマを継続して深掘りし、「継続して効果なし」という結果が得られたならば次のテーマを策定することを繰り返していく。

「その先」に来るエッジコンピューティングにも対応

 上記の3つのフェーズを一貫してサポートするのが、Simple Analyticsというわけだ。そのサービス内容は、月額10万円から利用できるSimple Analyticsの「システム提供」と、上記3つのフェーズ実行をそれぞれ10万円で支援する「コンサルティング提供」の2つから構成される。「お客さまが90日間で確実に価値を獲得できるように、システム基盤を個別に開発することなく、成果の出しやすいプロセスを実現します」と川田氏は訴求した。

Simple Analyticsの提供メニュー(クリックで拡大) 出典:セゾン情報システムズ

 さらに、その先に見据えているのはエッジコンピューティングの領域である。3つのフェーズを実践した後に新たに浮上してくるのが、「機器から大量に出力されるデータの有効活用(不要なデータは省きたい、転送と保存のコストも削減したい)」「デバイス連携の多様さ、開発の複雑さ、限られた機器の性能(センサー、機器の通信規格やプロトコルが多種多様。エッジ処理は軽量化が必須となる)」「制御の速度(機器への即時フィードバック要件への対応が必要)」といった課題。これらを解決する手段として、エッジコンピューティングへの期待が高まっているのだ。

 こういったニーズに対して、セゾン情報システムズはノンプログラミングでエッジにおけるデータ加工や分析、そしてクラウド連携を実現できる新サービス「HULFT IoT EdgeStreaming」のリリースを予定している。川田氏は「お客さまが自前でエッジ上のデータ取得や機器へのフィードバックを実現する仕組みを『HULFT IoT EdgeStreaming』で提供します」と語った。同社はIoTの「その先」においても、製造現場の柔軟なトライ&エラー実践をサポートする構えだ。

HULFT IoT EdgeStreamingのサービス概要(クリックで拡大) 出典:セゾン情報システムズ

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提供:株式会社 セゾン情報システムズ
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年7月31日