トレーサビリティーを強化、赤外線サーモカメラ監視システムをパッケージ化FAニュース

日本アビオニクスは、赤外線サーモグラフィーカメラを用いた「プロセスコントロール用システム 標準パッケージ」を発売する。製品温度を即時計測し、計測結果を生産設備と連携することで、エビデンス管理やトレーサビリティーの強化が可能になる。

» 2019年07月11日 07時00分 公開
[MONOist]

 日本アビオニクスは2019年7月8日、赤外線サーモグラフィーカメラ(サーモカメラ)を用いた監視システム「プロセスコントロール用システム 標準パッケージ」を発売した。希望小売価格は330万円となる。

 同システムでは、製品番号の登録と同時に、高解像度サーモカメラで温度を即時計測し、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)などと測定結果を共有する。これにより、品質およびエビデンスが管理できる。

 製造番号の入力は、キーボードやバーコードリーダーでの入力、自動連番入力が可能。また、グラフィカルなオペレーション画面により、直感的に操作できる。

 入力トリガーは、外部トリガー、温度トリガー、マニュアルトリガーの3つから選択できる。条件出しや事前テストをマニュアル計測した後、外部トリガーで自動計測するなど、多様な計測パターンを容易に実行できる。

 計測機能として、ポイントは最大5点(指定点)。エリアは四角形、円、多角形など最大5個で、各図形の最高、最低、平均温度が計測できる。ライン計測は最大5本(直線)で、各ラインの最高、最低、平均温度が確認可能。温度変化も計測できる。また、それぞれの値に判定しきい値や判定対象外温度を設定できる。複数の計測条件を登録して、任意に読み出して適用することで、製品の切り替えにも迅速に対応する。

 計測結果を表示するトレンドグラフは生産中に刻々と変化する温度を、ラインプロファイルは製品ごとの温度勾配を、どちらもリアルタイムに可視化する。いずれも最大5本となる。

 LANによる温度値の出力、接点信号、電圧信号、電流信号によるアラーム信号や温度値の出力が可能なので、PLCなどの制御機器や生産設備へのフィードバックも可能だ。

 パッケージに含まれるサーモカメラは、TS600シリーズ(画角に応じてモデルの中から選択可能)で、コントローラーは12インチタッチパネルモニター(専用ソフトウェアを含む)を使用。この他、ACアダプター、USBケーブル、LANケーブル、CD(ソフトウェア、取扱説明書)が付属する。

 主な用途は、トレーサビリティーが重要となる自動車部品や食品、薬品、化粧品などの生産ライン、ロット不良が発生すると大きな損失を招く樹脂成形品、アルミ成型品、金属加工品などの生産ラインとなる。

photo プロセスコントロール用システム 標準パッケージ(クリックで拡大) 出典:日本アビオニクス
photo 主な用途 出典:日本アビオニクス
photo ソフトウェアの主な機能(クリックで拡大) 出典:日本アビオニクス

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