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» 2019年07月11日 14時00分 公開

メカ設計ニュース:トポロジー最適化による工作機械、新しいカタチを追求するDMG森精機

DMG森精機は2019年7月9〜13日、同社伊賀事業所で開催するユーザーイベント「伊賀イノベーションデー2019」において、トポロジー最適化による工作機械の動作モデルを参考出展した。

[三島一孝,MONOist]

 DMG森精機は2019年7月9〜13日、同社伊賀事業所で開催するユーザーイベント「伊賀イノベーションデー2019」において、トポロジー最適化による工作機械の動作モデルを参考出展した。

photo 伊賀イノベーションデー2019に出展されたトポロジー最適化による工作機械(クリックで拡大)

動作モデルとして初めて出展

 トポロジー最適化とは、構造物の位相を設計変数として最適化する手法で、任意の3D形状に対して荷重などの条件を与えることで、ソフトウェア側が自動で強度を損なわないように形状をそぎ落として最適な材料分布を見つける処理だとされている。人の発想による設計では思いもよらない形状を実現できることが特徴でもある。

 DMG森精機では新たな工作機械の形状としてトポロジー最適化を活用した工作機械の開発に取り組んでいる。JIMTOF2018でトポロジー最適化により開発した工作機械の静体モデルを展示し、注目を集めた(※)

(※)関連記事:工作機械でトポロジー最適化したらこうなった――DMG森精機

 今回の伊賀イノベーションデー2019では初めて動作モデルを参考出展した。トポロジー最適化では、軽量化や高剛性化などに期待が集まっているが、実際にトポロジー最適化による成果として、動剛性が250%、静剛性で120%の向上を実現するなど、剛性を大幅に向上できたという。さらに抜き型形状のため100kg以上の軽量化を実現し、動作スピードの向上や省エネ化などへの貢献も期待できるという。

photo トポロジー最適化による効果(クリックで拡大)出典:DMG森精機

 ただ、実用化に向けての課題も数多く残されているという。その最も大きなものが作り方だ。JIMTOF2018で出展した静体モデルは、同社が力を入れている積層造形技術により作ったというが、実は今回の動作モデルについては「鋳物で作った」(担当者)とする。

 トポロジー最適化による複雑な形状物の製造には積層造形技術の相性が良いとされているが「工作機械で使う大きさの部材を一体成形できる金属3Dプリンタがまだなく、部品の組み合わせにすると積層造形技術の良さが失われるというトレードオフの状態で、今回は仕方なく鋳物での製造とした。作り方をどうするかは今後の課題だ」(担当者)としている。

photo トポロジー最適化によるステージ部分(クリックで拡大)

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