中小製造業に求められる自己変革――デジタル化とグローバル化による生産性向上2019年版中小企業白書を読み解く(2)(4/7 ページ)

» 2019年07月17日 11時00分 公開
[長島清香MONOist]

中小企業におけるECの利用状況

 人口減少が地域で加速する中、地域を超えた販路拡大の可能性の1つとして注目されているのがEC(電子商取引)である。日本のECにおける市場規模は、企業同士の取引(B2B)、消費者向けの取引(B2C)の両面で拡大を続けている(図10)。

photo 図10:日本のECにおける市場規模の推移(B2B)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019
photo 図11:日本のECにおける市場規模の推移(B2C)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019

 次に、中小企業のEC利用状況を確認したい。図12は従業員規模別に見たECの利用状況だが、中小企業でECを利用している企業の割合は44.7%と大企業を約10ポイント下回る水準となっており、拡大の余地が残されている。また、図13はECを利用している企業の利用目的を示したものだが、これを見ると「販売」より「調達」でECが活用されていることが分かる。中小企業がECを自社の経営に取り入れて有効に活用することは、地域内需要の減少が進む地方部において、海外も含めた販路を拡大する有効な手段になり得るだろう。

photo 図12:業員規模別に見た、ECの利用状況(2017年)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019
photo 図13:従業員規模別に見た、EC実施企業の利用目的(2017年)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019

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