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» 2019年07月31日 09時00分 公開

製造ITニュース:NEC、熟練者の行動から意思決定モデルを学習するAIを開発

NECは、行動履歴データから熟練者の認知、判断に基づく意図を意思決定モデルとして学習し、高度なスキルが要求される業務を大幅に効率化するAI技術を開発した。

[MONOist]

 NECは2019年7月17日、行動履歴データから熟練者の認知、判断に基づく意図を意思決定モデルとして学習し、高度なスキルが要求される業務を効率化するAI(人工知能)技術を開発したと発表した。営業活動やプラント運転などの複雑な意思決定が必要な業務領域、自動運転やロボット制御などの人の判断を物理的に再現する領域への適用が可能だと見込んでいる。

 この技術では、最適行動から報酬を推定する逆強化学習のフレームワークを同社独自のアルゴリズム、異種混合学習技術で拡張した。人手では定式化が困難な意思決定問題であっても、熟練者の行動履歴データから複雑な意思決定を複数の意図に分解して学習。熟練者と同等の判断を迅速かつ自律的に導き出す。

photo 意思決定モデルを学習するAI技術の特徴(クリックで拡大) 出典:NEC

 さらに、行動履歴データから意思決定モデルを学習すると同時に、制約条件も学習。熟練者が選択しない行動は避ける制約、常に行っている行動は守るべき制約と見なす。これにより、熟練者が無意識に行っている安全で信頼性の高い判断と同等の意思決定を可能にした。

 また、一般的に逆強化学習に必要とされる状態遷移モデルや、学習結果の正誤を確認する実験機やシミュレータがなくても、熟練者と非熟練者の行動履歴データからのサンプリングで意思決定モデルを評価できるモデルフリー方式も開発した。この方式を採用したことで、既存の逆強化学習に対して学習効率が100倍向上したという。

 NECはこの技術をTV放送局の広告スケジューリング業務に適用し、実データを使った性能評価を実施したところ、経験豊富な熟練者と同等レベルの意思決定を10倍以上のスピードで実行できたとしている。

photo TV放送局の広告スケジューリング業務での適用内容(クリックで拡大) 出典:NEC

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