Androidか車載Linuxか、「開発負担軽減」の志を忘れずにオートモーティブメルマガ 編集後記

どっちもやるのは大変じゃないのかな(初心者)。

» 2019年07月31日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

この記事は、2019年7月31日発行の「オートモーティブ メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


Androidか車載Linuxか、「開発負担軽減」の志を忘れずに

 アイティメディアに入社したころは、カーナビゲーションシステムにOSがあることや、Linuxの存在も知らなかった筆者ですが、Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」の年に1度の開発者向けイベント「AGLサミット」に通うのが、2019年で4回目となりました。

 最初のころはAGLのディストリビューションであるUCB(ユニファイドコードベース)のデモを見ても何がすごいのか全く分からず、事もあろうにLinux FoundationでAGL担当エグゼクティブ ディレクターを務めるDan Cauchy氏本人に「デモの見どころはなんですか」と尋ねるほどの初心者ぶりでした。

 初めて見たデモは2016年7月にお披露目されたUCB2.0で、後部座席向けの動画再生やエアコンの操作ができるようになったのが見どころです。Cauchy氏は丁寧に「11カ月前にはUCB1.0さえ存在していなかったという状態から、UCB2.0はCANバスからHVACや車載情報機器を操作できるようにしました。自動車メーカーやサプライヤーが2〜3年の開発期間を要するという工程を、“自動車業界の共同の開発部門”であるAGLは11カ月で終わらせています」と説明してくれました。

 そんな取材を経て「何にもないところから、普通のクルマについているような機能をみんなで協力して短期間で作ったって、すごいなあ」という第一印象を持ち、AGLをフォローするようになりました。AGLに限らずインフォテインメントシステムの話題は逃さないように努めていますが、印象的だったのはパイオニアとパナソニックの決算会見です。

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