スマートシティ市場は2023年に1895億米ドル規模へ製造マネジメントニュース

IDC Japanは、世界のスマートシティイニシアティブに対する支出額予測を発表した。2023年に支出額が1895億ドルに拡大し、回復力のあるエネルギーとインフラが最優先事項に挙げられている。

» 2019年08月06日 09時00分 公開
[MONOist]

 IDC Japanは2019年7月16日、世界のスマートシティイニシアティブに対する支出額予測を発表した。最新版の「Worldwide Smart Cities Spending Guide」では、2023年に支出額が1895億米ドルに拡大すると予測している。

 スマートシティイニシアティブの最優先事項として、回復力のあるエネルギーとインフラ、データ駆動型公共安全、インテリジェントが挙げられている。これに、データ駆動型公共安全、インテリジェントな輸送が続く。これらの優先分野を合わせた支出額は、2019〜2023年に予想されるスマートシティ支出額全体の半分以上を占めるという。

 スマートシティの支出で大きなシェアを占めているのは、スマートグリッドとスマートメーターだ。他分野では、インテリジェント交通制御とデータ駆動型公共安全の関連分野、プラットフォーム関連のユースケース、デジタルツインで力強い成長が見られる。

 予測期間全体にわたって最大の支出額になるユースケースは、主要な戦略的優先事項と一致しており、スマートグリッド、固定監視画像データ解析、高度化した公共交通、スマート野外照明、インテリジェント交通管制が挙げられる。2019年はこの5つがスマートシティ支出全体の半分以上を占めるが、2023年までにある程度減少するという。また、5年間の予測期間で支出が急激に伸びるユースケースには、V2X(Vehicle to Everything)接続、デジタルツイン、警察官用ウェアラブルが考えられる。

 地域別に見ると、シンガポールはVirtual Singaporeプロジェクトに牽引され、スマートシティイニシアティブ最大の投資を行う。次いで、ニューヨークシティ、東京、ロンドンと続き、北京と上海は5位を分け合っている。

 アメリカ、西欧、中国は、予測期間にわたってスマートシティ支出全体の70%以上を占める。日本と中東、アフリカ(MEA)は、21%前後の年間平均成長率(CAGR)でスマートシティ支出が急増するとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.