特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年08月26日 11時00分 公開

MONOist IoT Forum 名古屋2019(後編):IoTで手術をスマート化、工場の技術を転用したデンソーの挑戦 (3/3)

[三島一孝,MONOist]
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スマート工場やデータ活用の具体的なソリューション

 「MONOist IoT Forum in 名古屋」では、ここまで紹介してきた基調講演、特別講演、ランチセッションに加え、5本のセッション講演も実施した。その様子をダイジェストで紹介する。

製造業の各工程にインテリジェンスの提供を目指す日本マイクロソフト

 日本マイクロソフトは「マイクロソフトが推進するインテリジェント・エッジ&クラウド、IoT/AI/Mixed Realityは適材適所で上手に使おう!」をテーマに、製造業の各工程におけるデジタル変革や、先進技術の活用について紹介した。

photo 日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 製造業ソリューション 担当部長の鈴木靖隆氏

 日本マイクロソフトでは「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を掲げ、クラウドからエッジまでを組み合わせ、製造業の各工程に最適な形で先進デジタル技術の活用を推進していく。デジタル技術を支援する領域として「コネクテッドフィールドサービス」「コネクテッドリテール、サービス」「ファクトリーオブザフューチャー」「インテリジェントサプライチェーン」「コネクテッドプロダクツイノベーション」などを推進していく。

 日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 製造業ソリューション 担当部長の鈴木靖隆氏は「リアルの世界とデジタルの世界を緊密に連携させ、デジタルからのフィードバックをループさせるデジタルフィードバックループが重要になる」と語っている。

既にあるデータを使えるようにする価値を訴えるスプランク

 Splunk Service Japanは「海外事例にみる製造現場のマシンデータ活用」をテーマとし、使われていないマシンデータをどのように活用するかを観点に、IoT時代のデータ活用について紹介した。

photo Splunk Service Japan セールスエンジニアリング本部 部長の瀬島一海氏

 製造業においてデータ活用を進めようと考えた場合、工場などでさまざまな機械が稼働していることから、マシンデータを活用するケースが多い。しかしマシンデータの活用には以下の3つの点が課題となっている。

  • システムや機器によって形式がバラバラで事前準備に時間がかかる
  • リアルタイムで大量のデータが生成されるため、大規模環境が必要
  • どのように調査、分析するかを事前把握できない場合がある

 Splunk Service Japanはこれらを解決するソリューションを提供。Splunk Service Japan セールスエンジニアリング本部 部長の瀬島一海氏は「一言でいうとログデータの統合分析プラットフォームを提供している。既に海外では半導体メーカーや自動車メーカーなど多くの導入実績がある」と述べている。

「モノ」から「コト」へ、サブスクリプション化を訴えたジェムアルト

 ジェムアルトは「ソリューションカンパニーにシフトさせるソフトウェアの収益化〜モノづくり企業が今すぐ導入できるIoTのサブスクリプションビジネス〜」をテーマに、製造業のサービスビジネス化について訴えた。

photo ジェムアルト ソフトウェアマネタイゼーション事業本部 シニアプリセールスコンサルタントの前田利幸氏

 ジェムアルト ソフトウェアマネタイゼーション事業本部 シニアプリセールスコンサルタント 前田利幸氏は「IoTにより製造業のビジネスモデルは大きく変わってきている。従来はソフトウェアが付属品だったが、現在はソフトウェアを主体にサービスを核としたビジネスモデルが中心になりつつある」と語る。

 そしてサービスビジネス化を推進するには、売り切り型の従来製造業のビジネスモデルでは対応できず、サブスクリプションモデルや従量課金制、成果報酬型などに変革する必要がある。前田氏は「まずはビジネスをどう構築するか、最適なモデルはどういうものかを考えることが重要だ」と語っている。

予知保全の現実的な実現を訴えた東京エレクトロデバイス

 東京エレクトロンデバイスは「IoT/AI活用は実証から実装へ、予知保全を実現する現場力とAI力の勘所」をテーマに、予知保全をどのように実現するかをテーマに講演を行った。

photo 東京エレクトロンデバイス PB営業本部 デジタルファクトリー営業部 部長の神本敬氏

 東京エレクトロンデバイス PB営業本部 デジタルファクトリー営業部 部長の神本敬氏は「予知保全は2019年、2020年が離陸期になる。自社内の工場における予知保全と、自社製品の予知保全という2つの方向性で関心が高まっている」と予知保全の方向性について語る。

 具体的に成果を得る予知保全を実現するためには現場力とAI力が重要で、これらを組み合わせて早期に成果を出す意義を訴えた。神本氏は「全体像を把握してビジネス課題にひも付けて実現を目指していくことが重要になる。何を見るかというのは現場の視点を活用する。一方でデータをどう見るかという点などはAIなどを活用し、効果的に組み合わせることが必要になる」と語っている。

完璧なセキュリティ対策は不可能、脆弱性管理の価値を訴えたテナブル

 テナブルネットワークセキュリティジャパンは「脆弱性管理の進化が止まらない〜業界初、悪用される脆弱性の予測機能〜」をテーマとし、IoT活用で必須となるセキュリティ面での取り組みについて紹介した。

photo テナブルネットワークセキュリティジャパン Security Engineerの阿部淳平氏

 テナブルネットワークセキュリティジャパン Security Engineerの阿部淳平氏は「あらゆるデバイスがIoT化していく中で、サイバー攻撃の脅威は高まっている。ただ、サイバー攻撃はゼロデイ攻撃など、先進的な攻撃もある一方で、公開された脆弱性を数カ月後に攻撃するようなケースがほとんどである」と脆弱性を管理する意義について強調する。

 ただ「企業が抱える脆弱性の数も膨大になっており、完全な脆弱性対策を行うのが現実的ではない状況になっている」(阿部氏)とする。その中でテナブルネットワークセキュリティジャパンでは、“攻撃されそうな”脆弱性から対応を進めていく意味を訴え、同社のソリューションを紹介した。

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