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» 2019年08月27日 10時00分 公開

ママさん設計者が教える「メカ設計者のための電子回路超入門」(2):いまさら聞けない電子回路入門 〜アナログとデジタルの違い〜 (1/3)

電気やプリント基板の設計と、メカ設計がシームレスに連携する“エレメカ連携(エレメカ協調設計)”をテーマに、ママさん設計者が優しく教える連載。第2回は、直列回路と並列回路の違い、キルヒホッフの法則、そしてデジタル回路とアナログ回路の役割について取り上げます。

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

 皆さんこんにちは! Material工房・テクノフレキスの藤崎です。

 前回「エレメカ協調設計に備えよ! メカ設計者が知っておくべき電気/電子の基礎知識」では、メカ設計者であっても最低限は押さえておきたい「電気/電子の違い」と、電気工学の中で最も基本的な「オームの法則」について解説しました。

直列回路と並列回路

 回路には、直列並列があります。おそらく、知っている方が大半かと思いますが、その“違い”を見分けたい場合、どんな方法があるでしょうか。実際に配線して確認するというのも1つの手ですが、それぞれの回路図を描いて見比べる方がその違いをよく理解できます。

 試しに、1つの電池と2つの豆電球を用いた、直列と並列の回路図を描いてみます(図1)。いかがでしょうか? 中学校の理科の授業を思い出しますね。

図1 例:直列回路と並列回路の比較 図1 例:直列回路と並列回路の比較(クリックで拡大)

 この例では、電池の電圧を「1.5V」としていますので、直列回路の場合、豆電球1つ当たりにかかる電圧は半分の「0.75V」になります。電圧が半分になるということは、回路に流れる電流も半分で済むため、電池は長持ちします。一方、並列回路の場合は、2つの豆電球それぞれに「1.5V」の電圧をかけることになります。つまり、回路に流れる電流は2倍必要であるため、電池の寿命は短くなります。

 どちらの回路も「豆電球をつける」という機能を実現しますが、「少々暗くても、電池を長持ちさせて長時間点灯させたい」のか、「電池寿命を犠牲にしても、なるべく明るく点灯させたい」のかによって、直列にすべきか、並列にすべきかが変わってきます。

 基本的に回路の分岐点がいくら増えても、分岐した電流やそれぞれの部品にかかる電圧の値は、オームの法則に従います。そして、もう1つ回路設計で重要な法則が「キルヒホッフの法則」です。キルヒホッフの法則は「電流則である第1法則」と「電圧則である第2法則」とで構成されています。オームの法則と比べてややこしいので、以降の解説を参考にポイントだけ押さえておいてください。

キルヒホッフの第1法則(電流則)

 これは「『接続点に流れ込む電流の和』と『接続点から流れ出る電流の和が等しい』」という法則です。接続点は“導線がつながっている場所”だとお考えください。以下、第1法則について簡単に説明します。

 ここに1本のY字管と5つのボールがあるとします。この状況を特定の領域と考えます。そして、Y字管の分岐点(図2の赤丸)を接続点とします。2つある入り口のうち、片方からボールを2つ、もう片方からボールを3つ入れたら、出口からは5つのボールが出てきます。要するに、“ある領域に着目した際、接続点に流れ込む量と、接続点から流れ出る量は同じになっている”ということです。

図2 キルヒホッフの第1法則(電流則)のイメージ 図2 キルヒホッフの第1法則(電流則)のイメージ(クリックで拡大)
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