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» 2019年08月27日 10時00分 公開

活用事例から学ぶ:“一歩踏み込んだ”3Dプリンタ活用、エポック社とGROOVE Xによるモノづくり変革

単なる形状確認レベルの試作ではない、モノづくりの在り方そのものを変えるような3Dプリンタ活用の事例として、株式会社エポック社の「シルバニアファミリー」と、GROOVE X株式会社の「LOVOT」の開発における取り組みを紹介する。また、3Dプリンタ活用のステップアップのきっかけとして最適な造形サービス「DFP(Digital Factory Portal)」についても触れる。

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 モノづくりの世界で活用が進む3Dプリンタ。近年、最終製品やパーツ製造に3Dプリンタを用いるケースも増えているが、主流といえるのはデザインレビューや試作での利用だろう。新製品の企画やデザイン検討などにおいて3Dプリンタを活用することは、迅速な意思決定を助け、手戻りを最小限に抑えた質の高いモノづくりを実現してくれる。

 実際、こうした利用メリットを踏まえ、多くの企業が3Dプリンタを製品開発の現場に導入しているわけだが、

  • 製品イメージに限りなく近い“説得力のある試作”を作りたい
  • 大型造形を実現して外注コストを抑えたい
  • 機構部品の動きを検証するため、より高精細な3Dプリンタを用いたい

といった、さらなる活用に向けた思いを抱いたことはないだろうか。今回は、単なる形状確認レベルの試作ではない、モノづくりの在り方そのものを変えるような“一歩踏み込んだ”3Dプリンタ活用の事例を紹介しよう。

玩具づくりの常識を覆す、エポック社の3Dプリンタ活用

 玩具メーカーであるエポック社の「シルバニアファミリー」は、30年以上の歴史を誇るロングセラー商品で、国内外の子供たちを中心に支持されてきた。愛くるしいキャラクターや世界観が魅力のシルバニアファミリーは、わずかな形や色の違いがイメージを左右するため、初期段階におけるデザインレビューが重要な役割を果たす。そこでエポック社はデスクトップタイプの3Dプリンタを導入し、試作品の作成に活用するようになった。

 しかし、しばらくして課題に直面した。ワークサイズの問題だ。当初、エポック社が使用していた3Dプリンタは小型のデスクトップタイプであったため、シルバニアファミリーで使用される建物のような大型のものを造形するとなると、分割して出力するか、外注に頼らざるを得ない状況で、時間もコストもかかっていた。さらにデザインレビューでは、形状だけではなく色合いを含めたデザインを検討する必要があるため、単色で造形された試作品を塗装する手間も発生し、検討できるデザインパターンの数も限られていた。

PolyJet方式のマルチマテリアルフルカラー3Dプリンタ「Stratasys J750」 PolyJet方式のマルチマテリアルフルカラー3Dプリンタ「Stratasys J750」

 そんな課題に直面していたエポック社を救ったのが、PolyJet方式のマルチマテリアルフルカラー3Dプリンタ「Stratasys J750」(以下、J750)だ。J750は50万色以上のフルカラーおよびマルチマテリアルに対応したハイエンド3Dプリンタで、高速かつ高精細な造形が可能。CAD環境で3Dモデルに付加した色情報を基にフルカラー造形できるため、従来造形後に行っていた塗装作業が不要となった。

 機種選定から導入までサポートしてきた、ストラタシス・ジャパン 営業部 セールスマネージャーの助川尭章氏は「当初、エポック社の社内にも『本当にフルカラーが必要なのか?』という意見もあったそうです。しかし、実際に使用していただくと、フルカラーを活用した説得力のある試作の効果はすぐに社内中に広まり、今ではフルカラー出力による試作が当たり前になっているそうです」と語る。

 さらに、J750のワークサイズは一般的なデスクトップ3Dプリンタの約3倍あり、これまで分割出力あるいは外注に頼っていたシルバニアファミリーの建物の試作が内製可能となった他、シルバニア人形であれば複数デザインのモデルを一度で出力できるようになった。

J750で試作したシルバニアファミリーの建物 J750で試作したシルバニアファミリーの建物

 その結果、リードタイムは7日から1日に短縮し、試作コストは約80%削減。作成できるデザインパターンの数も約2倍になった。「J750の導入でモノづくりのプロセスも大きく変わり、限られた時間の中でより多くのバリエーションを納得いくまで検討できるようになったと聞いています」(助川氏)。

エポック社 シルバニア本部 シルバニア商品部 技術室 マネージャーの西野晃一氏(写真右)と、ストラタシス・ジャパン 営業部 セールスマネージャーの助川尭章氏(写真左) エポック社 シルバニア本部 シルバニア商品部 技術室 マネージャーの西野晃一氏(写真右)と、ストラタシス・ジャパン 営業部 セールスマネージャーの助川尭章氏(写真左)

家族型ロボット「LOVOT」のアジャイル開発を支えた3Dプリンタ

 ロボットベンチャーのGROOVE Xが開発する、人の愛する力を育む家族型ロボット「LOVOT」が間もなく一般発売される。一からの製品開発は、小さなサイクルを数多く回す“アジャイル手法”で進められた。アジャイル手法では多数の試作プロセスが必要であり、リードタイムが長過ぎては成り立たない。こういった開発スタイルには、社内で試作品を短時間で作れる3Dプリンタが有効だ。

 GROOVE Xはもともと、機構部品などの試作にホビー向けのFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタを活用していた。「しかし、ホビー向けは扱いが難しく、形が崩れたり、反りが出てしまったりと造形に失敗することも珍しくありませんでした。設計スタッフが増加するにつれて、GROOVE Xの社内でも再現性や安定性に対する3Dプリンタへの要求が次第に大きくなっていったと聞いています」と、ストラタシス・ジャパン ノースアジア プロダクト&ソリューション部 シニアセールスアプリケーションエンジニアの小林俊亮氏は説明する。

工業用プロフェッショナル3Dプリンタ「F123シリーズ」の上位モデル「Stratasys F370」 工業用プロフェッショナル3Dプリンタ「F123シリーズ」の上位モデル「Stratasys F370」

 これらの課題を解決するために、GROOVE Xは操作やメンテナンスが容易な工業用プロフェッショナル3Dプリンタ「F123シリーズ」の上位モデル「Stratasys F370」(以下、F370)を1台導入。その後、「Stratasys F170」(以下、F170)を2台加えて、現在3台体制で運用を行っている。FDM方式のF370とF170は、複雑な形状や1mm以下の薄肉形状でも失敗なく安定的に出力できるのが特長だ。サポート材もアルカリ溶液に浸しておくだけで簡単に除去できるソリュブルサポートを採用しており、後処理の手間も大幅に軽減される。

 加えて、プリント用ソフトウェア「GrabCAD Print」により、従来必要だったCADデータからSTLデータへの変換作業が不要となり、3D CADデータから直接出力できる点も作業効率性の観点から大きなメリットとなった。

F370で試作した「LOVOT」の充電ステーション F370で試作した「LOVOT」の充電ステーション

 GROOVE XはF123シリーズの導入によって、高速造形の実現に加え、失敗による時間ロスも大幅に軽減。プリント前の作業時間も約5分の1になるなど、試作をスピーディーに進めることが可能になった。また、GROOVE Xは現在LOVOTの量産に向けて、治工具の作成などにもF123シリーズを活用しているという。

 さらにGROOVE Xでは、フルカラー/マルチマテリアルのJ750を活用し、LOVOTのアクセサリー(メガネなど)の試作にもトライしている。透明感や繊細な模様の表現も可能で、最終製品に限りなく近い仕上がりが好評だという。「J750の活用により、無限のカスタマイズが可能になります。もちろん、在庫を持つ必要もありません。GROOVE Xでは試作を超えた使い方にも高い関心を示しておられます」と小林氏。

GROOVE Xの生駒崇光氏(写真右)と、ストラタシス・ジャパン ノースアジア プロダクト&ソリューション部 シニアセールスアプリケーションエンジニアの小林俊亮氏(写真左) GROOVE Xの生駒崇光氏(写真右)と、ストラタシス・ジャパン ノースアジア プロダクト&ソリューション部 シニアセールスアプリケーションエンジニアの小林俊亮氏(写真左)

パーツ造形サービス「DFP」で、まずは最新技術の体験を!

 3Dプリンタは、短時間で形あるモノを作ることができるだけでなく、製品開発プロセスそのものを変える力を持っている。もし、現在の環境に限界を感じ、「フルカラー/マルチマテリアで出力したい」「大型の造形を行いたい」「最新の3Dプリンタ/材料で造形したい」といった思いを抱いているのであれば、見積もり依頼から発注まで全てオンライン上で行える造形サービス「DFP(Digital Factory Portal)」の活用をオススメしたい。

 オンラインのサービスだが、専任エンジニアが造形に関するさまざまな相談に乗ってくれるため、3Dプリンタの専門知識がなくても安心して利用できる。3Dプリンタ活用の次のステップに踏み出すきっかけとして、DFPサービスを利用してはどうだろうか。

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今ある3Dプリンタではもう限界! やりたいことが本当に実現できる造形サービス

試作から治具製作、最終製品に至るまで、製造業を中心に3Dプリンタの活用が進んでいる。だが、その一方で「造形結果に満足できない」「使用できる材料に制約がある」「今すぐ使いたいのに装置の空きがなくて困っている」など、さまざまな壁に直面している現場も少なくない。そうした課題を抱える現場に対し、ストラタシス・ジャパンは目的に応じた機種、材料選定からデータ作成のアドバイス、実際の出力までをトータルでサポートする造形サービスを展開する。 ⇒ 詳細記事を閲覧する



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提供:株式会社ストラタシス・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年9月30日