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» 2019年09月02日 10時00分 公開

物流のスマート化:段ボールも自社で自由に作る時代! 物流現場の人を生かす「オンデマンド段ボール」

100年以上にわたり梱包資材や店頭販促物などの開発や製造に携わってきたタナックスが、段ボールと梱包の常識を変えるべく取り組んでいる。規格品をたくさん仕入れて倉庫にストックしておくものだった段ボールだが、実はオンデマンド化できる技術が既にある。数個〜小ロットの製品、長尺・異形の製品、多数のラインアップを取り扱うようなメーカーや通販事業者を悩ませていた梱包や物流の問題が、これで一気に解消する。長い歴史で積み重ねた技術を生かしつつも、これまでのやり方にはこだわらない、タナックス流の製品とは。

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 製造業や建設業の現場はさまざまな課題に直面している。取り扱う製品が多様化、複雑化したことと併せ、戦後日本における産業の復興期を力強く支えてきた団塊世代の引退、若手の現場離れ、現場コストのカットなどにより、深刻な人材不足の問題に悩まされている。業種や部門、工程によっては、業務の最適化や自動化が進んでいる部分もある一方、なかなか改善されない部分も多く存在する。後者の例としては、物流や梱包の工程がある。

 物流と梱包は、自動機やライン設備などが導入され自動化されているイメージが強いが、手作業による負担が大きい工程も実は多く存在するという。その大きな要因の1つとしては、今日の複雑化した製品や顧客ニーズへの対応がある。いずれの業界やサービスにおいても、大量生産大量消費から、小ロット生産やマスカスタマイゼーションの流れへシフトしている現状である。

 今日の物流、梱包現場が抱える悩ましい問題に目を付け、ソリューションを提案するのがタナックスだ。同社の創業は1907年とその歴史は非常に古く、片面段ボールの国内市場で圧倒的な存在感を放つ企業だ。現在は段ボール等の梱包資材の他、ペーパーディスプレイなどの販売促進(セールスプロモーション)関連製品、産業機器の製造や販売など取り扱い製品・サービスは多岐にわたる。

 現在、物流の現場では人手不足や、運賃ならびに段ボール資材費の高騰などによるコストの増加が深刻な問題である。タナックスは2014年、イタリアの機械メーカーであるパノテックと販売代理店契約し、物流ソリューション事業の展開を始めた。物流や梱包といえば、まず思い浮かぶのが段ボールであり、段ボールが絡む作業は梱包工程で多くの割合を占める。タナックスは、同社が得意としてきた段ボール製品製造のノウハウとパノテックの技術を組み合わせ、梱包工程が抱える課題にメスを入れた。

タナックスで物流ソリューション事業を担当するメンバー。左から西川氏、長崎氏、加賀谷氏、増田氏

従来の段ボール調達による、膨れ上がる手間やコスト

 これまでの段ボールといえば、決められた大きさや形の規格品をある程度まとまった枚数で注文してストックしておくというのが常識だった。しかしこれは、数個〜小ロットの製品、長尺・異形の製品、多数の製品ラインアップを取り扱うようなメーカーや通販事業者にとっては非常に悩ましい制約である。

 例えば、年間に数個しか発送しないような製品であっても、段ボールは多めにストックしておく、もしくは小ロットの段ボールを高めな値段で調達しなければならない。大きい製品向けの段ボールであれば、倉庫の場所も取られてしまう。さらに規格品では製品が収まらないようなサイズの場合、段ボールを加工するなど人手による作業が発生する。

 また、小さな製品でも不釣り合いな大きさの段ボールに梱包されていた経験を持つ人も多いのではないだろうか。これは発送元にストックされている段ボールの種類の都合である。こういったケースでは、輸送時に破損しないように緩衝材を余分に詰めたり、製品の養生に結構な手間をかけたりしなければならない。

 梱包が大きくなれば、その分だけコンテナや輸送トラックに積載できる数は少なくなる、すなわち運送費用がかさむことになる。運送費が高騰する現在、これも悩ましい問題だ。さらに荷物を受け取る顧客も、梱包を解く作業や廃棄で非常に手間が掛かる。

 このように、定形の段ボールを利用することが原因で、物流や梱包現場の時間や人手、コストが大きく割かれてしまう課題があった。そこで、タナックスはこの常識や現状を大きく変えるべく、新しいソリューションを提案している。

 タナックスでは異なる大きさの商品を自動計測し、ジャストサイズの段ボールを切り出し、製函から封函までを自動で行う3辺自動切り出し製函封函機「TXP-600」を自社開発した。TXP-600の対応する箱サイズ(縦横高さ)は、最小で235×265×100mm、最大で600×600×400mmである。1時間あたり最大510個の高い生産性を実現しており、小物や中物製品を取り扱う通信販売事業に向くシステムだ。

これまでの段ボールの常識を変えた「Just fit BOX」

 一方で、製造業や建設業の物流現場に多い大型品や異形品の梱包に対応するシステムが、「Just fit BOX(ジャストフィットボックス)」である。Just fit BOXとは、梱包したい製品の3辺サイズにぴったり合わせた段ボールを自動で製造するシステムで、必要なサイズ、形状の段ボール箱を必要なときに1つから作成可能だ。突発的な単品生産から、日産1000〜2000個程度の大量生産まで幅広く対応できる。

 Just fit BOXの利用イメージを紹介しよう。段ボールの材料はタナックス独自の梱包資材である「PATADAN(R)(パタダン)」だ。PATADANはじゃばら状に折り畳まれた段ボールシートで、長尺の段ボール箱生産にも対応できるというメリットを持つ。システムはタッチパネルによって直感的に操作でき、オンデマンド生産したい段ボールの寸法や梱包形状、枚数といった生産データもここから入力する。複数の段ボールを大量に生産したい場合には、あらかじめCSVファイルで生産データを記述しておくことで、インポートによる生産データ入力にも対応する。また、梱包する製品サイズをハンディスキャナーで簡易計測し、この計測データから段ボールを作成するオプション装置も用意されている。

タナックス独自の梱包資材「PATADAN」が梱包現場の省スペース化を実現(クリックで拡大)

 データ入力後は、段ボールシート切り出しのできるJust fit BOXが、自動的にPATADANの加工を開始する。データ入力から段ボールシート切り出し終了までのプロセスはわずか数十秒で完了する。

Just fit BOXのタッチパネルを操作するタナックスの加賀谷氏

 一連の操作で特別な知識が一切必要ないこともJust fit BOXのメリットだ。システムを初めて扱うユーザーであっても、その場で使いこなせるという。「例えば、新しく現場配属され、作業未経験の人であっても、すぐに操作を覚えて、その日から作業を始めることが可能なくらい、操作が簡単です」(タナックス 物流ソリューション部 技術・開発部 エンジニア 加賀谷氏)。

 Just fit BOXは予算や製品に応じて以下のモデルから選定できる。「MIDI(ミディ)」は400〜1400mm幅までのPATADANに対応し、PATADANのストックは最大で2パレット。さらに上位機種の「EVO(エヴォ)」は最大で2500mm幅のPATADANに対応し、なおかつ最大で8パレット(オプション)と幅の異なる複数種類のPATADANを同時にセット可能だ。MIDIでは最小コストで段ボールのオンデマンド加工に対応でき、EVOでは材料のロスをより抑えることができる。両機種とも商品に3辺がジャストサイズで段ボールを作成できるため、緩衝材を必要最低限まで減らすことが可能だ。また、箱そのものだけではなく、商品を固定するための緩衝用パッドも同時に作り込める。

 「例えば、既存の段ボールを用いると、縦長の姿見(鏡)の梱包は、段ボールを継ぎ足してはったり、丁寧に養生したりと非常に手間のかかることでした。Just fit BOXを使えば、姿見にあった段ボールを自動的に用意でき、その中に(緩衝機能を持たせた)製品の固定部も作り込むことができます。よって、梱包に当たる作業者の手間は大幅に低減します」(タナックス 物流ソリューション部 営業戦略部 リーダー 増田氏)。

長尺品も3辺ジャストサイズの段ボールで簡単に梱包できる

 Just fit BOXは、特にこのような長尺品や大型品を取り扱う企業で採用が進む。同社の顧客であるホームロジスティクスは、インテリア製品の大手であるニトリの子会社である。ホームロジスティクスは、ニトリの幹線輸送事業から倉庫事業、ラストワンマイル配送事業までの一貫物流を実現している。多様化したニトリの顧客や販売に対応するため、オンデマンドな段ボール生産への対応が必須であり、Just fit BOXの導入を決断。同社の梱包作業において、姿見では57%、学習マットでは54%と大幅なコストダウンを実現したという。一方で、「がんばれ!!日本のモノづくり」(R)を企業メッセージとし、機械工具などの工場用副資材を中心とする卸売り企業のトラスコ中山もJust fit BOXのユーザーである。次の動画では、実際に導入された様子をご覧いただこう。

 Just fit BOXはこのような家具や工具などの他、建材の梱包でも有効である。建材には細長いものや、大きな板状の製品も多い。Just fit BOXはまさにそういう形状が得意である。段ボールを継がなくても1シートで梱包が可能になる。また自動車部品のようにサイズや形状がさまざまかつ、出荷量が多い製品にも適している。

タナックスの増田氏

 「お客様の初期投資は早ければ1年以内で、かかっても2〜3年もあれば投資回収できるケースが多いです。Just fit BOXは段ボールの製作および梱包工程の効率アップに取り組む製品ですが、その改善がその前後の工程である受注や発送などの効率やコストへも大きく影響し、結果としてトータルなコスト削減ができるということが、ユーザーの声から分かっています。また日々積み重ねていく改善であり、ある時ふと気が付けば、多額のコスト削減ができていたと驚くユーザーもいます」(増田氏)。

 コストを削減するだけではなく、作業者は神経を使う面倒な作業から解放され、さらに生産性を高める、あるいは創造的な作業にかかわることができる。限りある人材の能力を存分に生かしながら、効率的な作業が行えるようになるのだ。

独自性を磨き、社会に新しい価値を提供し続ける

 タナックスは歴史の長い企業でありながら、過去の慣習や成功にとらわれることなく社会や業界、顧客の抱える課題へ真摯に向き合い続けてきた。TXP-600やJust fit BOXのような「自前でオンデマンド段ボールを作る」という発想の競合システムは、少なくともリリース当時には見当たらず、現在も恐らくないという。それだけ、業界にとって取り組みのハードルが高かったことだといえるだろう。かつて同社は1972年に日本ではじめてペーパーディスプレイを開発・商品化し、第一線でセールスプロモーション事業を手掛けてきた実績があり、常に業界の先駆者となるビジネスに挑戦し続けている。

 タナックスの代表取締役社長である田中一平氏はこう語っている。

タナックス代表取締役社長の田中一平氏

 「当社は、創業から2019年で112周年を迎えました。企業の平均寿命が37年との調査結果がある時代に、112年事業を継続できたのは、お客さま、社会、そして社員との間に育まれてきた信頼関係が土台となっています。企業が成長と発展を続けるには、お客さまや市場のニーズに目を向け、自社の価値をいかに発揮できるかが問われます。今後も、当社の独自性を磨き続け、まだ世の中にない『新しい価値』となるソリューションや製品の開発に注力していきます」

 「そして、当社のスローガン『人とモノの間に。』にあるように、商品と『出会う』『手に取る』『受け取る』など、人とモノが接するさまざまな場面で企業の思いや商品の価値を創造し、生活者の暮らしや気持ちを豊かにすることが、我々の社会に果たす使命です」

 顧客の心とつながるべく、「世の中になければ、作ったらよいのだ」とハードルを果敢に乗り越えてきたタナックスのチャレンジに、今後も要注目である。

展示会やデモルームで実機を展示

 今回紹介したJust fit BOXは、「EC物流フォーラム2019」(2019年11月12日、虎ノ門ヒルズフォーラム)で講演予定。また、「関西物流展」(2019年11月27〜29日、インテックス大阪)や「国際物流総合展」(2020年2月19〜21日、東京ビッグサイト)のタナックスブースで展示される予定だ。また、同社本社工場(京都府)と東京都大田区の大井ふ頭に常設のデモルームを配置しており、Just fit BOXサイトや電話(タナックス 物流ソリューション部直通:03-3495-6055)で、問い合わせや実機見学も随時受け付けている。

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提供: 株式会社タナックス
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年10月1日