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» 2019年09月13日 10時00分 公開

DMM.make AKIBAを支えるプロフェッショナルたち(1):大企業からスタートアップ、芸術家まで駆け込むDMM.make AKIBAのモノづくり哲学 (4/4)

[越智岳人,MONOist]
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日本各地のスタートアップ支援施設との連携を加速

 大企業から個人、アートから製造業まで幅広くカバーするDMM.make AKIBAのテックスタッフだが、自分たちだけに閉じず、同業他社や関連企業との提携や交流にも積極的だ。

 スタートアップ支援を行う浜野製作所(東京)や、ハードウェアに特化したベンチャーキャピタル/アクセラレーターのMakers Boot Camp(京都)の技術者陣と情報交換をして、スタートアップ支援のノウハウ共有を2019年に入って開始している。将来的には双方の得意な案件を紹介するなどして、会員にとってメリットのある支援の幅を拡充したい考えだ。

Makers Boot Camp Makers Boot Campでプロジェクトマネジャーとしてスタートアップの開発を支援する二上範之氏(左)と、DMM.make AKIBAの野上舟兵氏(中央)、山口潤氏(右)。二上氏が東京出張する際には秋葉原に立ち寄り、DMM.make AKIBAのテックスタッフたちと積極的に情報交換しているという

 DMM.make AKIBAでテックスタッフとフロアスタッフを統括する野上舟兵氏は、他拠点との連携は原点回帰だと語る。

 「元をたどればスタートアップからの受託は会員の成長をサポートしたいということで始めたことです。であれば、私たちで全て完結させるのではなく、より最適なパートナー企業と連携したり、紹介したりすることで、QCDをより高いものにできれば会員の満足度も上がります」(野上氏)

 また、自分たちの会員だけでなく、外部の施設に入居するスタートアップや、アクセラレータープログラムの参加企業の試作開発も支援するなど、DMM.make AKIBAの強みを生かした提携も進めている。

 サポートの幅が広がる中で、テックスタッフ陣が重視していることは現状にとどまらないことだという。

 「スタートアップや新規事業が失敗しないために、自分たちもノウハウやスキルをアップデートしていく必要があります。ハードウェアスタートアップのエンジニアの中には複数の分野にまたがって開発する方も珍しくありません。スタートアップと一緒に仕事をする以上、私たちもスタートアップと同等かそれ以上のパフォーマンスが出せるようにならないといけません」(山口氏)

 5年間、DMM.make AKIBAを運営できたのは会員ファーストであり、プロダクトファーストで動いてきたからだと野上氏は自負する。

 「この5年間で町工場のマインドもかなり変わってきたことを実感しています。大手からの受託だけでなく、新しい取引先を開拓したいということで問い合わせに来る中小企業も年々増えていますし、経営者や担当者にもチャレンジ精神のある人が増えているという実感があります。会員にとって最適なサービスを提供するためには、私たちも型にはまらずに世の中の変化に応じて変わっていく必要があると感じています」(野上氏)

 モノづくりのエキスパートとして、自らもアップデートしていくことで、1つでも多くのプロジェクトを成功させたいという、がむしゃらな思いがDMM.make AKIBAを単なる工房ではなく、それ以上の存在足らしめている。 (次回に続く

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