「かったるい」が「抜かさなくていいや」に、ステアリングから手を離す心理的影響オートモーティブメルマガ 編集後記

小さなことが、想像以上の影響を与えているようです。これは乗って確認せねば。

» 2019年09月25日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

この記事は、2019年9月25日発行の「オートモーティブ メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


「かったるい」が「抜かさなくていいや」に、
ステアリングから手を離す心理的影響

 皆さんは高速道路を運転するとき、どんなペースで走りますか。ハイペースで他のクルマをどんどん抜いて行く感じですか。よほど遅いクルマが前にいない限り、走行車線でゆったり巡航するタイプでしょうか。筆者はどちらかというと後者で、流れに沿った範囲で燃費走行を心掛けています。人それぞれ、自分の好みのペースがあり、それが変動することはあまりないのではないでしょうか。

 では、自分のペースと違う人に対してどのような印象を持たれますか。自分が運転手で、前方の車両が遅ければ抜かしたくなるでしょうし、追い越し車線で前方車両がのんびり走り続けているのはいかがなものかと思います。後方から明らかに自分より速い車両が来たら、車間距離を詰められる前に譲るのが安全です。

 それとは別に、自分が助手席にいて、運転手が自分の好みとは違うペースで運転するとき、どのように感じるでしょうか。特に、自分が運転するペースよりも遅い速度で走る場合で考えてみてください。遅くてまどろっこしいと思うでしょうか。安全運転で周囲に迷惑なほど遅くなければ気にならないでしょうか。どちらの感覚の人も同じくらいいるのではないかと思います。

 さて、もう1つ仮定を増やします。運転手は自分以外の人間の誰かではなく、システムです。自分は運転席にいて、周辺を監視してはいますが、ステアリングから手を離しています。もちろんペダルも操作しません。ただ、システムは制限速度プラスアルファの範囲までしかスピードを出さず、明らかに自分で運転する方が速いという想定です。

 まどろっこしくて、かったるい機能だと思うでしょうか。多少遅くても、システムに任せる方がよいでしょうか。

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