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» 2019年09月30日 13時00分 公開

メカ設計用語辞典:標準偏差

メカ設計者のための用語辞典。今回は「標準偏差」について解説する。

[小林由美,MONOist]

標準偏差

 標準偏差とは、データの中におけるバラツキを数値化するための指標である。日本工業規格(JIS)の「統計−用語と記号−第1部:確率及び一般統計用語、Z 8101-1:1999」においては、分散の正の平方根、σ=V(X)であると定義されている。

 標準偏差は、個々のデータ値と平均値の差(「偏差」という)を2乗して合算した値から、さらにデータの総数「n」で割った値の正の平方根で算出する。ただし、データ総数を単純に「n」とするのではなく、「n-1」で算出する。n-1を「自由度」と呼ぶ。

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 標準偏差をヒストグラム(グラフ)化すると「正規分布」となり、データの線は左右対称の釣鐘状になる。その中心値から中心振り分けとなるデータ分布の範囲の広さによって、以下のように定められている。基準となるσは「68.3%」であり、全体の約7割の範囲を示す。

  • ±σ(σ区間):68.3%
  • ±2σ(2σ区間):95.4%
  • ±3σ(3σ区間):99.7%
  • ±6σ(6σ区間):99.9997%

 例えば、工業製品の生産の場合は、標準偏差は全生産数における良品率を示す。製造業の品質管理においてはサンシグマ)を指標の1つとすることがあり、「生産数が1000個のうち、不良品が3個」を示している。例えば、部品の寸法測定データを用いて評価する。

 企業の改善活動などで使われる「シックスシグマ」は、“改善施策により生産のバラツキを極限まで抑え、不良品の発生を極力防ぐための活動”といった意味になる。もし部品生産で99.9997%の良品率を目指すのであれば、「生産数100万個のうち、不良品は3.4個」になる計算だ。

 σは「母集団の標準偏差」を示し、標本(サンプル:母集団から抽出する部分集合)における標準偏差の場合は「s」と区別することがある。

メカ設計用語辞典 索引

トポロジー最適化 幾何公差 公差設計 有限要素法
データム デジタルツイン 抜き勾配 標準偏差
QFD マルチボディ レンダリング 表面粗さ
TRIZ シックスシグマ 粒子法 CIM
ロバスト設計 FEMA PDM (用語一覧へ)
※注:この表には予定も含まれています

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