就職/転職したばかりなのに辞めたくなったらモノづくり業界転職トレンド(13)(1/2 ページ)

厚生労働省のデータを見ると就職・転職後に短期間で辞める人は意外と少なくない。入社してすぐに転職したくなったらどう考えればいいのか、そうならないために事前にできることはあるのか。転職コンサルタントに話を聞いた。

» 2019年10月07日 09時30分 公開
[杉本恭子MONOist]

 厚生労働省の最新データによると、年間で離職した人のうち、約3割は入社後1年以内、そのうち約3分の2は半年以内に離職しているという。この数字には非正規雇用も含まれているものの、就職・転職後、短期間で辞める人は意外と少なくないのだ。では、入社してすぐに転職したくなったら、どう考えればいいのか、そうならないために事前にできることはあるのか、自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー 関寺庸平氏に聞いてみた。

photo クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャーの関寺庸平氏

短期間で離職することにメリットはない

 そもそも、なぜ離職するのか。理由は、20歳代と30歳代以降で異なるという。

 30歳代以降で比較的多いのは、子育てや介護など、家族や家庭の事情が理由で「離職・転職しなければならない」状況になり、リスクも承知の上で転職を考えている人だ。あるいは「一定の仕事をやり切った」、「経験やスキルを踏まえて新しいことをしたい」など、次のステップを考えている人もいる。

 20歳代でもやむを得ない事情のこともあるが、特に就職・転職から半年程度で離職・転職を考えている人に多い理由は「イメージと違った」、「希望の部署に配属されなかった」など、理想と現実とのアンマッチである。仕事をすることや、転職することに対して、ライトな感覚を持っている傾向もあるようだ。

 半年程度で離職すると、どういうメリット、デメリットがあるのか。「メリットは誰にもない。やむを得ない理由であったとしても、プラスになることはない」と関寺氏はいう。

 一方最大のデメリットは、「半年で辞めた」ということが履歴上に残ることだ。どういう理由であれ、採用を検討する立場である人事には「すぐに辞める人、短期的に物事を判断する人」と見えてしまう。また転職する際には「なぜその会社を選んだのか、なぜすぐ辞めたのか」という理由を必ず聞かれる。仮にウソの理由を考えたとしても、本質的な部分で隠し通すことは難しいし、見抜かれると思っていた方がいい。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.