第46回東京モーターショー2019 特集
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» 2019年10月16日 15時00分 公開

車両デザイン:「ヴィッツ」が全面改良で「ヤリス」に、トヨタ初の右左折時自動ブレーキも (2/3)

[齊藤由希,MONOist]

白線のない場所にはメモリ機能で自動駐車

 もう1つ、トヨタ自動車として初採用となるのが、高度駐車支援システムだ。これまではステアリング操作のみシステムが制御し、ドライバーはアクセルとブレーキを操作する必要があった。今回はステアリングに加えて、アクセルとブレーキもシステムが制御する。ドライバーが駐車スペースの横に停車してスイッチを押すと、カメラとソナーが検出したスペースに自動で駐車する。ドライバーは周辺の安全確認と、前進後にDからRにシフトチェンジを行う。駐車中の速度は時速5km以下の範囲内で3段階で選択することができるという。

 カメラで駐車枠の白線を、カメラとソナーで両隣の駐車枠の車両を検知する。駐車スペースの認識精度が向上したため、従来より少ない切り返しで駐車可能になったという。また、高度駐車支援システムには、「世界初」(トヨタ自動車)の機能としてメモリ機能を採用した。同システムの通常の駐車では白線が検知できる必要があるが、メモリ機能は事前に登録した駐車スペースの画像の特徴点を基にするため、自宅など白線がない場所でも駐車できる。天候や時間帯によって、メモリ機能で登録した駐車スペースは、天候や時間帯が変わった場合、影の有無などの影響を受けるが、かなりの確率で駐車できているという。

 後退中に車両の後方を歩行者が横切る場合は、カメラで認識してドライバーにブレーキを踏むよう警告し、ドライバーがブレーキを踏まなければ自動ブレーキが作動する。駐車支援作動中にブレーキを踏むと、ドライバーの操作を優先して減速するが、駐車支援のシステムは継続して動作する。一方、アクセルを踏んだ場合は踏み間違いの可能性があるため、システムが停止する。

 シフトバイワイヤを採用したモデルであれば、前進後のシフトチェンジまで自動化することが可能で、電動パーキングブレーキと組み合わせれば「最後に停車するところまでシステム側で制御できる。ドライバーが周辺確認を怠らなければ、シフトチェンジまでシステム側で制御しても問題ないと考えている」(開発者)。

高速道路や急ブレーキでも燃費改善

 新型ヤリスのハイブリッドモデルは、トランスアクスルやパワーコントロールユニット、駆動用バッテリーを新開発した。駆動用バッテリーは現行ヴィッツではニッケル水素電池を採用していたが、新型ヤリスはリチウムイオン電池となり、プライムアースEVエナジー(PEVE)が供給する。

トランスアクスル(左)駆動用バッテリー(中央)パワーコントロールユニット(右)(クリックして拡大)

 新開発のリチウムイオン電池について開発担当者は詳細を伏せたが、セルの正極や負極、電解液を変更したという。バッテリーの充電量を拡大することにより、従来は摩擦ブレーキに逃げていた急制動のエネルギーも回生できるようになった。回生エネルギー量は最大2倍に増えた。「バッテリーの出力は1.5倍、受け入れ量が2倍に増えている。ハイブリッド車の燃費と走りを両立するには高出力型のバッテリーが必要だった。2020年代の新しい駆動用バッテリーという位置付けだ」(開発者)。

 高速走行中の燃費も改善したという。従来は時速130kmで走行中はアクセルをオフにしても、エンジンを止めることができなかった。新型ヤリスは時速130kmで走行中もアクセルオフでエンジンを止めることができる。「エンジンが不要な時にエンジンを止められるようになった。高速道路を多用する方や、ファーストカーとして高速道路を使った遠出をする方にも良好な燃費で使っていただきたいという思いがある」(開発者)。

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