違和感のない膝を再現する、人工膝関節手術支援ロボットを導入医療機器ニュース

慶應義塾大学病院は、赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボット「NAVIO」を導入した。個人の膝の状態に合わせた細やかな手術が可能で、違和感のない、安定した膝が再現できるため、患者の負担を軽減する。

» 2019年10月17日 15時00分 公開
[MONOist]

 慶應義塾大学病院は2019年10月2日、赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボット「NAVIO」を導入したと発表した。同ロボットの導入施設としては、国内で4つ目となる。

 この手術支援ロボットはSmith&Nephew製で、変形性膝関節症、関節リウマチ、骨壊死、スポーツや外傷による後遺症などに対する人工膝関節置換術で使用する。

 同ロボットが、手術中の膝の状態を画像やグラフで表示すると、医師はその情報を元に、筋肉や靭帯のバランスを考慮しつつ、個人に合わせてその場で細やかに手術計画を調整できる。手術の際は、赤外線カメラから関節の位置情報を得て、関節表面の形状や関節の動きを正確に読み取り、骨を1mm、1度以下の誤差で掘削できる。

 また、これまでの人工膝関節手術では切除が必要だった十字靭帯を、全て残すことができる。十字靭帯の温存が可能になったことで、動きの多い若年者でも、自然な屈伸動作が誘導され、安定性が維持できる。

 人工膝関節手術支援ロボットによる、個人に合わせた細やかな手術は、違和感の少ない膝が再現できるため、患者の術後のリハビリがスムーズになり、早期の社会復帰が見込まれる。その上、再現後の膝は長期間安定した状態で使用できることから、患者の負担を軽減し、満足度やQOLの向上につながることが期待される。

photo 手術支援ロボット全体像(クリックで拡大) 出典:慶應義塾大学病院
photo 手術中の骨切り角度のシミュレーション(クリックで拡大) 出典:慶應義塾大学病院
photo モニター画面を見ながらの骨切り(クリックで拡大) 出典:慶應義塾大学病院

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