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» 2019年10月23日 06時30分 公開

デザインの力:NTTドコモがプロダクトデザインにこだわる理由 (2/2)

[八木沢篤,MONOist]
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大型化の流れにあえて逆らう「引き算のデザイン」

 その中で、特に興味深かったものが「引き算のデザイン」だ。「スマートフォンのディスプレイは大型化する傾向にあるため、シーンによっては持ち運びが煩わしくなり、通信が分断されてしまうことがある。通信を分断させないカタチとはどのようなものか? 追求して生まれたのが『カードケータイ KY-01L』だ」と宮沢氏は説明する。

多機能の逆を行く「引き算のデザイン」 多機能の逆を行く「引き算のデザイン」[クリックで拡大]

 近年、ディスプレイサイズの大型化の流れを受け、スマートフォンの端末サイズが肥大化している。動画やゲームなどのエンターテインメント、カメラ撮影や画像編集を行う際などは大画面が役に立つ。しかし、電話として見た場合、それがベストだとは言い切れない。ジョギングなどを行う際、大きなスマートフォンが邪魔に感じることがあるように、ライフスタイルやシーンによっては“違う選択肢”が求められるというわけだ。「通信を途切れさせないことは、通信キャリアとして外せない視点だ。多機能化が進んだ今、あえて機能を削ることで新しい価値が見いだせるのではないかと考えた。本当に必要な機能はどれなのか、見極めながら機能を削っていき、紙のように薄く、小さいことを目標に今のスタイルを作り上げた」(宮沢氏)。

ラフモックアップ(1)ラフモックアップ(2) まずは理想の形をデザインの観点で追求したラフモックアップを製作[クリックで拡大]
モックアップを製作(1)モックアップを製作(2) ラフモックアップを3Dデータに変換し、その後、製品同等の1分の1スケールのモックアップを製作[クリックで拡大]
モックアップAをベースに「カードケータイ KY-01L」が生まれた モックアップAをベースに「カードケータイ KY-01L」が生まれた[クリックで拡大]


 ドコモとデザインは、博物館的に歴代のプロダクトをただ並べただけの展示会とは異なり、より上流のプロセス、つまりデザインを追求する姿勢やその過程をさまざまな視点から見ることができる。通信というサービスを提供する側として、ライフスタイルに根差したデザインの在り方とはどうあるべきかを常に模索し続けるNTTドコモの思いや姿勢が、カッターマットを模した展示スペースに凝縮されている。

展示会場を上階から俯瞰 展示会場を上階から俯瞰した様子。会場の床は、プロダクトチームが普段ラフモックアップを製作する際などに使用しているカッターマットをモチーフにしてある[クリックで拡大]
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