第46回東京モーターショー2019 特集
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» 2019年10月25日 06時00分 公開

東京モーターショー2019:「走行距離650kmは足りない」、FCVの新型ミライが目指す安心感

トヨタ自動車は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の次期モデルの開発最終段階を示すコンセプトカーを展示している。

[齊藤由希,MONOist]

 トヨタ自動車は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の次期モデルの開発最終段階を示すコンセプトカーを展示している。

 新型ミライについては、既にプレスリリースで幾つかの情報が公表された。車両サイズやホイールベース、駆動方式、乗車定員といった諸元値の他、日本や北米、欧州などで2020年末に発売することが明らかにされている。また、燃料電池(FC)システムを一新し、FCVとしての性能を大幅に向上させるとともに、水素搭載量の拡大により、走行距離を従来モデル比で30%増やすことを目標にしている。

新旧ミライ。2020年末に発売する次期モデル(左)と現行モデル(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 ミライは現行モデルであっても、1回の水素充填で650km走行できる(JC08モード)。水素の充填作業が3分程度で終わる点と併せて、ガソリンエンジン車と同等の利便性を実現したとうたってきた。しかし、「水素の残りが少なくなってくると不安だという声をいただいた。理由は水素ステーションの数が少ないからだ。走行距離が少しでも長ければ安心して使ってもらえるのではないか。水素ステーションがないことを理由に諦める人も多いと聞いている。水素ステーションが少ないことを理由に買うのをためらってほしくないので、ネガティブな部分を払拭する」(トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS製品企画 ZF 主査の清水竜太郎氏)。

 また、新型ミライは前輪駆動から後輪駆動となる点も大きな変化の1つだが、清水氏は「初めから後輪駆動にすると決めていたわけではない」と説明。「現行モデルは良くも悪くもいろいろな意見をいただいており、今回はスタイリングにこだわった。また、現行モデルは4人乗りだったので、5人乗りの普通のセダンとして使ってもらえるようにしたいという思いもあった。そうした中でレイアウトを検討した結果、TNGAの後輪駆動のプラットフォームがうまくはまった。後輪駆動に行き着いたので、これを生かす走りの良さにもこだわっている」(清水氏)という。

 乗車定員が4人から5人にできたのも、レイアウトの工夫が効いた。「レイアウトの詳細は新型車として発表するまで言えないが、プラットフォームから見直しているので現行モデルとは変わっている(清水氏)。

サイドビューも新旧で大きく変わる。次期モデル(左)と現行モデル(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
新型ミライでは大型ディスプレイ2枚を採用(左)。現行モデルのインテリア(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 トヨタ自動車は新型ミライを普通のクルマとして売り出す。「現行モデルはFCVだから買ってくれる人が多かったが、おカネを払っていただく上で“FCVだから”というアピールは通じない。“いいと思ったクルマがたまたまFCVだった”というくらい、見ても乗っても所有しても喜びのある、クルマ本来の魅力を持たせたい」(清水氏)という。

 新モデルではFCVらしさを演出するデザインにはこだわらなかった。現行ミライは、酸素の確保とFCシステム冷却のために空気を取り込む左右のグリルを強調したデザインにより、FCVとしての独自性を象徴するフロントフェースとなっている。「現行モデルのデザインは機能面でも必要な形になっているものの、賛否両論だった。新型ミライでは、冷却性能が向上して現行モデルのようなグリルが不要になったこともあり、FCVらしい形にはしていない」(清水氏)。

フロントフェースの比較。新型(左)は、現行モデル(右)のような左右の大きなグリルが不要になった(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

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