第46回東京モーターショー2019 特集
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» 2019年10月30日 06時00分 公開

東京モーターショー2019:EV向け2モーター4WDや大型ディスプレイの統合HMI、コンセプトカーの外へ (2/2)

[齊藤由希,MONOist]
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2枚のワイドディスプレイを使った統合HMIをグローバルに

 アリア コンセプトのHMI(ヒューマンマシンインタフェース)には12.3型のディスプレイを2つ使った「統合型ディスプレイ」を採用している。速度など運転に必要な情報を表示するメーター部分と、カーナビゲーションシステムやインフォテインメントシステムの部分が連携するというものだ。近い将来、グローバルで採用するHMIという位置付けだ。

統合型ディスプレイ(クリックして拡大)

 統合型ディスプレイでは、ドライバーは必要に応じて、インフォテインメントシステムの情報をメーター側のディスプレイに表示させたり、表示をカスタマイズしたりすることができる。また、情報量が増えることに対応し、自動運転中はシステムの作動状態を示すなど、ドライバーの状態や走行状況に合わせて最適な情報を表示する。

 2枚のディスプレイは平面ではなくS字型にレイアウトし、デザイン性を高めながらドライバーから自然に手が届きやすいようにした。2枚を一直線に並べるとインテリアとして調和が取れにくいと判断した。ディスプレイはスマートフォンと遜色のないタッチ操作ができることを目指す。また、2枚のディスプレイが1つに見えるような一体感のあるアニメーション表示の演出も可能だ。

 2枚のディスプレイのメーター部分とインフォテインメントシステムは別個のECU(電子制御ユニット)で動作させる。SoCはルネサス エレクトロニクス製を採用する。2つのECUは「ハードウェアとソフトウェアのプラットフォームをそろえて一体感を重視する」(日産自動車の開発担当者)。インフォテインメントシステムの操作情報をメーター部分に反映するための情報を2つのECUでやり取りし、スムーズに連携させる。

 統合型ディスプレイを使ったHMIのOSはまだAndroidではないようだ。「OSとして使いこなせるようになり、内製化できる準備が整えばAndroidを採用していく」(日産自動車の開発担当者)。

 仮想化技術を用いて1つのECUでHMIを動かすのは日産自動車ではまだ検討中の段階で、統合型ディスプレイよりも少し後に実用化する技術だとしている。サプライヤーも、1つのECUで動作するHMIに苦戦しているようだ。「仮想化技術を使うとECUの処理性能に制限が出てくる。一方でHMIで実現したい機能は多く、要求される表示も高度化している。なにか機能を諦めるか、ECUを大きくするか、という状況だ」(大手サプライヤーの技術者)。

シートも進化中

 アリア コンセプトの薄型シートも実際に開発を進めている。フォルシア(Faurecia)との共同開発だ。従来のシート骨格が角ばった怒り肩のような形であるのに対し、開発中のシートはなで肩のような骨格となる。強度面で不要な部分を薄くするなど形状の最適化を進めた。シート骨格を従来よりもスリムにしながら、乗り心地や座り心地を確保し、マッサージ機能や温熱機能、シートエアバッグなどの内蔵にも対応する。

 こうした形状にすることにより、後部座席の乗員から前方が見えやすく、運転席や助手席の乗員と会話しやすくなる。開発中のシート骨格の実現には、ハイテン材の普及とコストダウン、成形技術の進化による深絞り加工が貢献しているという。

従来型と開発品のシート骨格。左側が従来の骨格で、右が開発品のシート(左)。手前が開発品の骨格(右)(クリックして拡大)
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