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» 2019年11月11日 09時30分 公開

モノづくり業界転職トレンド(14):ベンチャーに転職するメリットとデメリット (2/2)

[杉本恭子,MONOist]
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強い思いを持っている人ほど活躍できる

 では、ベンチャーに向いているのはどういう人か。経営に安定感があり、技術的バックグラウンドもある環境で仕事をすることより、多少リスクがあっても、新しいこと、誰もやっていないことに魅力を感じる人、既成概念にとらわれずに、自分の技術を新しい製品やサービスにしていきたいというマインドの人に向いていると言えるだろう。関寺氏は「『こういうものを作りたい』『こういうことに役立てたい』など、何か強い思いを持っている人ほど、自由度の高いベンチャーで活躍できるのではないか」という。

 逆に、制約が少ない、自由度が高い、役割が多いという仕事で必要とされるのは、自分で考えたり、調べたり、行動したりする自主性だ。「これが苦手な人は、ベンチャーへの転職はお勧めしない」と関寺氏。仕事の範囲をきっちり区切りたい人、指示を受けて仕事をしたい人には向いていないといえる。

 実際ベンチャーに転職しているケースは、明確にやりたいことがある人だ。特に多いのは20〜30歳代で、なかでも独身の人が目立つという。大手、中堅企業に就職したものの、自分の大学での研究が生かせない、明確にやりたいことがあるなどの理由で、特色ある研究や開発をしているベンチャーに転職する。独身が多いのは、家庭を持つと「家族にとって何が適しているか」という観点も重要になるからだろう。

 しかし経験を積んできたベテランが、新たな活躍のフィールドとしてベンチャーに転職することもある。エンジニアとしての高いスキル、キャリアを持っているが、会社の事情でその分野の研究を辞めてしまったとか、生涯エンジニア志望だったのに管理職をオファーされたなどのケースが多い。ベンチャー側に足りない技術や経験を持っているベテランエンジニアは、ベンチャーにとって頼れる存在でもある。

 一方、少人数で運営しているベンチャーとしては、採用の失敗は1人でも痛手が大きいため、非常に慎重だ。特に面接では、技術、業務スキルはもちろん、これまで学部や就職先を選んできた着眼点、物事に対する考え方、人柄など、幅広くチェックし、自社に合う人材かどうかを見極める。ベンチャーの採用は、むしろシビアだと思っていた方が良さそうだ。

 「ベンチャーが見ているのは、今より未来。ベンチャーへの転職を希望している方は、将来的に何がしたいのか、どんな世界を実現したいのかを明確にしておいていただくと、われわれエージェントも紹介しやすい。強い思いを持っている人は、ベンチャーという可能性を考えるのもいいのではないか」と関寺氏は語った。

関寺庸平氏 クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー

自動車業界を中心に、製造業の転職コンサルタントとして12年の実績。前職では上場メーカーで技術営業をしていたため技術者のキャリアに詳しく、電気・機械・ソフト系技術者の支援に強みを持っている。NHKや日経新聞に製造業の転職市場についてコメントを提供。

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