2019 国際ロボット展 特集

過去最大規模となる国際ロボット展、裏テーマは「ロボットは人の仕事を奪わない」2019国際ロボット展

日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は2019年11月19日、「2019国際ロボット展(iREX2019)」(2019年12月18日〜12月21日、東京ビッグサイト)の開催概要について発表。出展者数、出展小間数ともに過去最大を更新したことを明らかにした。

» 2019年11月20日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は2019年11月19日、「2019国際ロボット展(iREX2019)」(2019年12月18日〜12月21日、東京ビッグサイト)の開催概要について発表。出展者数、出展小間数ともに過去最大を更新したことを明らかにした。

photo 前回の国際ロボット展の様子(クリックで拡大)

 「国際ロボット展」は2年に1度開催されている世界最大規模のロボットトレードショーであり、今回で23回目の開催となる。今回の国際ロボット展は「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマとし、協働ロボットやサービスロボットなどを通じ、ロボットの活躍の場が従来以上に広がりを見せている点を訴える。

 主催する2019年国際ロボット展 運営委員長の小笠原浩氏(安川電機代表取締役社長)は開催テーマについて「ロボットが人の仕事を奪うという話がよく出るが、そういうものではなく、ロボットは人に近い位置で共存していくものというのをメッセージとして打ち出したかった。従来は難しかったこともIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの技術進化で可能になってきている。そうしたものを会場で示していく」と語っている。

 今回の国際ロボット展は東京ビッグサイトの「青海」「西」「南」ホールを使用。出展社数は前回を上回る637社、3060小間(前回612社、2775小間)となり、過去最大を更新している。引き続き産業用ロボットゾーンが大きく増加しており前回の2012小間から2379小間に拡大。サービスロボットゾーンは533小間から551小間へと増えた。また、海外出展社も95社389小間(前回88社、252小間)と過去最大となっている。参加国も前回の13カ国から3カ国増加。モナコ、スイス、タイの3カ国の企業が初参加となっている。

photo 2019年国際ロボット展 運営委員長の小笠原浩氏

 併催事業としてはロボットメーカー各社やユーザー企業が参加し人とロボットの共存について議論する「iREXロボットフォーラム」や、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「NEDO ロボット・AIフォーラム 2019」などの各種フォーラムを用意。さらに、東京都立産業技術研究センターと東京ビッグサイトが案内ロボットや警備ロボット、運搬ロボットを実際に活用する「ロボット実稼働実験」を実施する。また同研究センターでは中小企業と共同でサービスロボットの開発を行っているが開発したロボットのデモンストレーションも行う。

 最近では、中国などアジアの国々の企業がロボット技術でも追従してきているが、小笠原氏は「単純に同じ市場で追い付かれるということではなく、ロボットの種類が増えてきている。そういう中で全てのロボットを従来強かった国で提供できるのかと考えるとそうではない地域で担うところも出てくると考えている。今はロボットと呼んでいるけれど、将来は家電の一部になるようなものもあるかもしれない。こうした市場の中では、ロボット市場のポジションだけにこだわることではなく、日本の各企業が強いところを着実に成長させていくことが重要だと考えている。展示会でも現在ある技術の先を示す中で、日本のロボット産業がどういうことができるのかを紹介し、将来のあるべき姿を示せるようにしたい」と語った。

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