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» 2019年11月26日 10時00分 公開

100年に1度の大変革に立ち向かう:CASE時代の次世代自動車開発に欠かせない電磁界解析と複合領域解析の重要性

「100年に1度」の大変革期を迎える自動車業界。「CASE」の考えに基づく次世代自動車の開発が急ピッチで進められているが、ソフトウェアやエレクトロニクス技術が占める割合が増えたことで設計開発の複雑さが増し、開発現場を悩ませている。その救いの手として注目を集めているのが電磁界シミュレーションの活用だ。

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 自動車業界は今、「100年に1度」といわれる大変革の最中にあり、自動車メーカー各社は「CASE」――Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Service(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)――の概念を取り入れた次世代自動車開発を加速させている。

 ある調査によると、自動車開発におけるイノベーション創出の90%がソフトウェアあるいはエレクトロニクス技術によるものだといわれ、2030年になると電子システムが自動車コストの半分を占めるようになるとの見解が示されている。

自動車のトータルコストに占める電子システムの比率(出典:ダッソー・システムズ) 自動車のトータルコストに占める電子システムの比率(出典:ダッソー・システムズ)

 自動車の“電動システム化”が進んでも、OEMやサプライヤーはこれまでと同様に信頼性、安全性、快適性といったさまざまな要件に答え、その責任を負わなければならない。また、早期市場投入が求められることから、コンセプト設計や開発期間の短縮が急務となっており、シミュレーション技術をこれまで以上に活用しようとする動きが盛り上がりをみせている。中でも、電動化や自動運転といったCASEの考えに基づく次世代自動車の開発に欠かせない存在として「電磁界シミュレーション」に対する関心は高い。

ADAS/自動運転の実現に必須となる“複合領域解析”

 ADAS(先進運転支援システム)/自動運転の実現になくてはならない要素の1つがミリ波レーダーセンサーだ。自動車の周囲で何が起きているのかをリアルタイムかつ的確に把握するためには、センサーの高い信頼性が求められ、高品質な設計と最適な配置が不可欠である。

ダッソー・システムズの電磁界ソリューションについて解説するダッソー・システムズ SIMULIA R&D戦略担当ディレクターのPeter Hammes氏 ダッソー・システムズの電磁界ソリューションについて解説するダッソー・システムズ SIMULIA R&D戦略担当ディレクターのPeter Hammes氏

 「OEMやサプライヤーは限られた開発期間で、開発コストを抑えながら、さまざまな制約の中で要求レベルの高い設計をこなす必要がある。ADAS/自動運転はいかなる環境下でも完璧な動作、性能が求められるため、設計プロセスの初期段階でセンサーの故障や不具合のリスクをつぶしておかなければならない」とダッソー・システムズ SIMULIA R&D戦略担当ディレクターのPeter Hammes氏は語る。

 例えば、ADAS用レーダーセンサーを搭載する場合、ダッソー・システムズの流体シミュレーション「PowerFLOW」で走行時にボディーに付着する泥水などがどのように付着するのかをシミュレーションする。下図はPowerFLOWで泥水の付着位置をシミュレートしてレーダーセンサーの配置を検討する様子を示したものだ。粒子のコンターは、走行している車両に付着した泥水を示している。どこに泥水が付着するかを理解した後、センサーに影響しないよう最適な配置を、3D電磁界解析システムパッケージ「CST Studio Suite」で検討する。流体と電磁界シミュレーションを組み合わせることで、レーダーセンサーの設計と最適配置が検討できる。

流体シミュレーションを組み合わせて泥水の付着を再現しながら、最適なレーダーセンサーの配置を検討できる(出典:ダッソー・システムズ) 流体シミュレーションを組み合わせて泥水の付着を再現しながら、最適なレーダーセンサーの配置を検討できる(出典:ダッソー・システムズ)

 「ADAS/自動運転におけるミリ波レーダーセンサーの設計と配置は、安全性や信頼性に直結するため非常に高度で時間のかかる作業だが、設計の初期段階において、バーチャルなシミュレーション環境でセンサー位置の検証が行えるようになったことで、生産性の大幅な向上が見込めるようになった。また、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で全ての関係者がつながるため、柔軟かつ迅速なコラボレーションが実現できる」とHammes氏は説明する。

電動ドライブとパワーエレクトロニクス領域で有効な解析技術

 自動車の電動化に欠かせない電動ドライブの最適設計においても、ダッソー・システムズは電磁・電気機械シミュレーションソフトウェア「Opera」を提供する。

 前述のCST Studio Suiteが高周波領域などを得意とするのに対して、Operaは静電場や低周波領域の解析に有効だ。複雑な電気機械の有限要素法解析ソフトウェアであり、磁場分布や外部回路の解析が行える。また、Opera向けにシンプルな2Dジオメトリ解析のインタフェースを備える他、個別カスタマイズ向けに汎用(はんよう)プログラミング言語「Python」でのスクリプト記述もサポートする。

電磁・電気機械シミュレーションソフトウェア「Opera」について(出典:ダッソー・システムズ) 電磁・電気機械シミュレーションソフトウェア「Opera」について(出典:ダッソー・システムズ)

 さらに、CST Studio Suiteにおける電気機械の非線形動作モデルをFMU(Functional Mockup Unit)にエクスポートし、物理モデリングシミュレーションの「Dymola」に取り込み、電気系回路と機械系回路を連結させることで、電気が流れたときにどのような挙動を示すか、システムレベルのシミュレーションで電動ドライブの性能を評価することも可能だ。

 「電動ドライブ設計の最適化を行う場合、電磁界や構造など、複数の物理現象を同時に考えることが重要だ。例えば、電磁界のことだけを考えてしまうと、その結果がメカニカルな要素を不安定化させてしまう恐れもある」(Hammes氏)

 電動化に不可欠なパワーエレクトロニクス技術、そのうちインバータの設計に着目してみても、電磁ノイズの対策が極めて重要となる。万一、自動車全体に電磁ノイズが広がってしまえば、車両システムの誤動作の原因にもつながってしまう。電磁ノイズの影響を最小限に抑えるためには、シールドを付けて確実に対策する必要があるが、適切な箇所に対策を施さなければ意味がない。

 ここもダッソー・システムズの電磁界ソリューションの出番だ。CST Studio SuiteのPartial RLCソルバーは、寄生成分を単純なR、L、Cで置き換えられるようなインバータの解析に適しており、電磁界解析を行うまでもない成分を抽出することで、システムシミュレーション向けに非常に軽量な解析モデルを生成できる。また、CST Studio Suiteの特長は回路シミュレーションと電磁界シミュレーションを連成できる点にある。設計者は発生した電磁ノイズの状況を3Dで確認でき、影響の大きな部分を目で確認して的確に対策を施せる。

インバータから発生する電磁ノイズの状況を3Dで可視化できる(出典:ダッソー・システムズ) インバータから発生する電磁ノイズの状況を3Dで可視化できる(出典:ダッソー・システムズ)


 ダッソー・システムズの電磁界ソリューションは、コラボレーション基盤である3DEXPERIENCEプラットフォームにより、他に類を見ない複合領域解析における大きな強みを発揮する。共通のプラットフォーム基盤の下、機械設計、電気設計、ソフトウェア開発をシームレスにつなげ、さらに構造解析、流体解析、電磁界解析などを連成できる。つまり、バーチャルな環境で、バーチャルな車両を走らせながらの検証、開発が行えるわけだ。その絶大な効果は、次世代自動車開発の強力な助けになるに違いない。

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提供:ダッソー・システムズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年12月25日