信頼のおける組込みコントローラとは、使えば分かるPFUエンベデッドの実力

インテル製プロセッサを搭載する組込みコントローラで多くの実績を持つPFUが「ET & IoT Technology 2019」に出展。「インダストリに貢献するPFUエンベデッド〜大きな信頼、使うと分かるPFUエンベデッド〜」をテーマに、その豊富な実績と幅広い対応力を紹介するとともに、産業用イーサネットやエッジAIに関するデモなどを披露した。

» 2019年12月03日 10時00分 公開
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 インテル製プロセッサを搭載する組込みコントローラで多くの実績を持つPFUが、パシフィコ横浜で2019年11月20〜22日に開催された「ET & IoT Technology 2019」に出展し、その豊富な実績と広い対応範囲を紹介した。

 組込み/IoT技術の祭典として知られる同展示会は、この分野のテクノロジーの進化に合わせる形で年々注目が高まっている。特に、2018年から展示会のキーワードが「組込み」から「エッジテクノロジー」に移行される中で、機器単体の性能を高めるためのソフトウェアや部品以上に、機器と機器、機器とクラウドなどを“つなげる”ことで従来にない新たな価値をもたらすソリューションへの注目が集まるようになっている。また、組込み機器やエッジ側のさらなる価値向上につながるAI技術をどのように取り込んでいくかも課題といえよう。

 今回PFUは「インダストリに貢献するPFUエンベデッド〜大きな信頼、使うと分かるPFUエンベデッド〜」をテーマに同社の技術や製品を訴求した。その展示内容を紹介しよう。

インテル製プロセッサ搭載組込みコントローラを累計100万台出荷

 PFUは組込みコントローラのベンダーとして、インテルとの間で長年にわたる良好な関係を保っている。その概要を広く紹介するのがインテルコーナーだ。

 PFUは、インテル製プロセッサを搭載する組込みコントローラ製品で国内トップクラスの扱い量を誇る。2018年10月には累計100万台の出荷実績を達成した。また、搭載するCPUについても、高い処理能力を誇るサーバ用の「Xeon(R)」から低消費電力の「Atom(TM)」まで幅広いCPUラインナップをフォローしている。目的、あるいは利用環境の変化などに応じて、最適な選択肢を提供できるのがPFUの大きな強みとなる。また、最新世代のインテル製プロセッサを搭載する製品の開発の方向性を示すなど、ハードウェア面での実績をしっかり押さえた、安心感のある展示展開となった。

インテル製プロセッサを搭載する組込みコントローラ製品をフルラインナップで展開 インテル製プロセッサを搭載する組込みコントローラ製品をフルラインナップで展開

 今回のインテルコーナーでは、インテルとの連携によるハードウェアの対応力の高さに加えて、ソフトウェア分野でも高い技術力と開発体制がPFUにあることをアピールした。例えば、BIOSにおいては、インテルプラットフォームについて10世代/20年以上にわたる開発実績を持つ。対象製品は200以上あり、カスタム製品を含めて顧客数は100社を超えるという。このBIOS開発で、専任チームを編成しているのもPFUの特長だ。国内組込みベンダーとして珍しいBIOS専任チームの存在は、ソースコードレベルのカスタマイズからスピーディーなトラブルシューティング対応まで、顧客に大きな安心感を与えている。

 OSにおいてもPFUの優位性は際立つ。PFUは、マイクロソフト社とライセンス契約を締結したWindows(R)プレインストールの認定企業だ。

 またPFUは、WindowsだけでなくLinux(R)の対応力でも定評がある。Linux対応では20年の経験があり、カスタマイズや評価・検証についても多くの実績を持つ。Linuxにはさまざまな種類のディストリビューションが存在するが、商用/無償、サーバ向け/組込み向けなどの用途に関わらずPFUには多くのディストリビューションへの対応、検証実績があることを確認できた。

社会の重要箇所で利用されているPFU製品群

 PFUの製品は機器に組み込まれて利用されているため、ほとんどがどのように利用されているのかが認知されていない。そこで今回は、市場展開アピールコーナーとして、高い信頼性が求められる社会の重要箇所で多数のPFU製品が利用されていることを紹介すべく、ブース内でも最大(幅約4m)のスペースが用意された。

社会の重要箇所で多数利用されているPFU製品 社会の重要箇所で多数利用されているPFU製品。産業、医療、通信、インフラの注力4分野については具体的な活用事例も展示した

 パネルには、工場やオフィス、船舶やショッピングモールなど多彩な市場に対応する様子がイメージで紹介され、手前には製品模型が並んだ。特に、注力市場となる産業、医療、通信、インフラの4分野については、映像と実機を用いてより具体的な活用事例を示した。

 例えば、産業では、産業用ロボットの制御向けとして、CompactPCI対応コンピュータやSOM(システム オン モジュール)ボードを提示。工場でも安定して稼働し続ける耐環境性と省スペース性、産業用ネットワークカードとの連携を支援する体制を紹介した。また、医療では、画像処理用途に向けた組込みコンピュータを紹介。現在、医療分野ではAIを活用した診断補助を可能にする機器が求められており、これに対して小型コントローラとAIを高速で処理する「Deep Learningアクセラレータカード」や、Xeon搭載のタワー型コントローラとGPUボードの組み合わせなどを提案した。

製品企画から製造、保守までを一貫して提供する安心のものづくり体制

 PFUは、製品企画から製造、保守までを一貫して提供する、国内では数少ない組込み機器ベンダーだ。今回は、ものづくり体制コーナーとして、顧客の利便性や製品の品質の確保に役立つ同社のものづくり体制を紹介した。

 同コーナーでは、横幅約3mの大きなパネルを使って、石川県かほく市のProDeSセンター内に構築されている、企画から開発設計、評価試験、調達、製造、保守に至るまでをカバーする国内自社一貫体制を紹介。例えば、製造の箇所で示されている「組立直行率99%」という数値は、手戻りなく良品が作れることを意味している。また、先述したそれぞれの工程が互いに連携して、さまざまな情報を共有、フィードバックし合うことで全体として製品の品質を高め、製造効率を向上できていることも示された。

ProDeSセンター内に構築されている国内自社一貫体制 ProDeSセンター内に構築されている国内自社一貫体制

産業用イーサネットへの移行を推進、EtherCAT(R)カードのデモを披露

 ここからは、PFUのET & IoT Technology 2019の展示で最も注目を集めた、付加価値製品群の展示内容について紹介しよう。工作機械や半導体製造装置での採用が進む産業用ネットワーク、組込みコントローラでの活用が視野に入りつつあるディープラーニング、そしてPFUの独自ソフトウェア技術を使用したソフトウェアRAID、組込み仮想化ソフトウェア、以上4つのコーナーでデモンストレーションを繰り広げた。

 産業用ネットワークコーナーでは、さまざまなIoT機器の普及によって生産現場から得られる大量のデータを高速かつ安全にやりとりする環境として、シリアルから産業用イーサネットへの移行を提案した。データ転送にイーサネットを利用することで、高速伝送や高い可用性/信頼性、柔軟な接続性などが得られる。PFUは、産業用イーサネットへの移行を推進すべく新技術の導入や機能拡張を含めた開発に積極的に取り組む方針だ。

 現在PFUがラインナップしている産業用イーサネット関連製品は「EtherCAT(R)カード」(マスタ/スレーブ)と「MECHATROLINK-IIIマスタカード」だ。EtherCAT(R)は多種多様なスレーブを必要とする工作機械や半導体製造装置などの制御、MECHATROLINK-IIIは緻密な動作を必要とする多軸ロボットなどのモーション制御が主な用途となる。

 EtherCAT(R)カード(マスタ)を用いたサーボ制御のデモでは「高精度同期」「ケーブル冗長」「ホットコネクト」など、EtherCAT(R)を導入するメリットが分かりやすく示された。まず、高精度同期については、かみ合わせ部を非接触で動作させている2つのサーボ制御歯車について、高速、低速、停止、正転、逆転を自由に変更しても接触が起こったりしないことを示した。

EtherCAT(R)カードを用いたサーボ制御のデモ EtherCAT(R)カードを用いたサーボ制御のデモ

 このデモでは、EtherCAT(R)カードと2つの歯車を制御する各サーボコートローラーはリング型に接続されている。このリング型接続の一方のケーブルを意図的に切断しても継続して歯車の制御を行えることにより、ケーブル冗長であることが分かる。歯車の回転速度を知らせる信号灯は、稼働中にケーブルを抜き差ししてもそのまま機能が利用できるホットコネクトを示すためのものだ。

エッジAIをDeep LearningアクセラレータカードとOpenVINO(TM)で実現

 ディープラーニングコーナーでは、市場展開コーナーでも披露されたDeep Learningアクセラレータカードの活用について紹介した。

 25Wと低消費電力のFPGAを搭載したDeep Learningアクセラレータカードと小型組込みコンピュータ「ARシリーズ」の組み合わせによって、ディープラーニングに基づくAIアルゴリズムをエッジAIとしてさまざまな用途で活用できる。

 同コーナーは、エッジAIの導入による生産性向上を分かりやすく伝えるため、来場者の姿をカメラで撮影し、その性別や年齢、視線の方向、表情(喜怒哀楽)などを判別するデモ環境(参考展示)が設置された。

 このデモ環境は、PFUのDeep LearningアクセラレータカードとARシリーズに加えて、インテルのコンピュータビジョン開発ソフトウェア「OpenVINOツールキット」を用いて構築した。デモで実行しているエッジAIはかなり負荷が高い処理だが、Deep Learningアクセラレータカードの効果もあってほぼリアルタイムで判別処理を行えていた。Deep Learningアクセラレータカードを使わない、CPUのみでエッジAI処理を実行する環境も用意しており、その性能の違いを分かりやすく見せていた。

エッジAIのデモ Deep LearningアクセラレータカードとARシリーズ、OpenVINOツールキットを用いたエッジAIのデモ

 なお、FPGA上でOpenVINOを活用できる環境を提供できる国内のベンダーは少ない。今回のデモは、インテルとの良好な関係を持つPFUが、OpenVINOについても密な連携をしていることが示されている。

独自のソフトウェアRAIDはハードウェアRAIDと遜色なし

 エッジAIに代表されるように、エッジサイドで多量データ処理を行うエッジコンピューティングへの要求が高まっており、それに伴って高速かつ高信頼にデータを扱うためのストレージ技術も要求されるようになっている。ソフトウェアRAIDと組込み仮想化ソフトウェアの両製品は、このトレンドに対応するものだ。

 ソフトウェアRAIDは、従来であればハードウェアのコントローラが担っていたRAID機能をソフトウェアで実現するものだ。PFUのソフトウェアRAIDは、ハードウェアRAIDと遜色のないスピードと信頼性を実現しており、独自のトレース&ロギング技術によるエラー検知、一時切り離し、および高速リビルド機能がデータ保護を一層強固なものとしている。また、充実したRAS(信頼性、可用性、保守性)機能を備え、万が一のストレージトラブルにも対応が可能という。

 デモでは、故意にディスクに問題を発生させてソフトウェアRAIDがどのような処理をするかを実演し、ソフトウェアRAIDでもハードウェアRAIDと同等の信頼性機能を実現できることをアピールした。一時切り離しでは、エラーを検知したディスクを切り離して再組込みの可否をバックグラウンドで診断し、再組込み可能なら高速でリビルドし、不可能ならRAID縮退する。高速リビルドでは、一時切り離し中の更新箇所だけをコピーすることで、通常リビルドの約100分の1の時間で冗長性を回復できる。

ソフトウェアRAIDのデモにおける性能を示す画面 ソフトウェアRAIDのデモにおける性能を示す画面

 RAIDコーナーでは、組込み用として大容量のストレージも展示された。こちらには後述の仮想化ソフトウェアに類する技術が搭載され、異種のOSや複数のOSを同時に起動、データを高速に共有する使い方ができる。より多彩な利用環境に対応するものとして注目を集めた。

組込み仮想化ソフトウェアで複数のコントローラを1台に統合

 組込み仮想化ソフトウェアは、PFUが2019年にリリースした新しい製品だ。工作機械など産業向け装置には複数のコントローラが搭載される例も多い。機能が拡張されるのに併せてコントローラの台数も増え、その管理や保守が煩雑になるという課題があった。PFUの組込み仮想化ソフトウェアを使えば、このように分散するコントローラを統合でき、管理や保守をシンプル化するとともに、装置の小型化や省配線化も実現できる。

 展示では、Xeonを搭載するミドルタワータイプのARシリーズ(AR8300モデル320L)1台を使って、製造装置の4つのコントローラ機能を統合する仮想化デモを実施した。このデモは、OK/NGといった検品判定を行う産業機器を模擬した内容になっており仮想化によって4台のコントローラを1台に統合したイメージが用意された。カメラから得た画像データの処理、その画像データを使ってのOK/NGの判断、産業機器につながるさまざまなシステムとのインタフェースの制御、検品処理の状態を示すHMI(Human Machine Interface)機能、これら4台のコントローラの機能が組込み仮想化ソフトウェアによって1台のコントローラに統合されている。

組込み仮想化ソフトウェアのデモ 組込み仮想化ソフトウェアにより4台のコントローラの機能を1台のコントローラに統合するデモ

 PFUの組込み仮想化ソフトウェアの特長は、統合したコントローラそれぞれの処理負荷にお互いが影響を受けないという組込みシステムに最適化した点にある。カスタマイズにも対応し、実際に導入する顧客の環境によりマッチするものが提供できる点が、他の仮想化ソフトウェアと異なるという。

 これらの他にも、PFUが新たに開発に取り組んでいる技術について、来場者の意見を取り入れていくための新企画製品コーナー(参考製品)も展開していた。

新企画製品コーナーの展示 新企画製品コーナーの展示(参考製品)

 PFUがET & IoT Technology 2019の展示ブースで強くアピールしたのは、これまで20年以上の間積み上げてきた組込み分野での採用実績と、それらの実績を支える技術力だ。組込みコントローラというとハードウェアのイメージが強いが、同社がソフトウェア関連でも高い技術力を有しているのはBIOSやOSの対応力を見ればよく分かる。このソフトウェアの技術力は、産業用イーサネットやエッジAI、ソフトウェアRAID、組込み仮想化ソフトウェアといった、IoTやAIなどの新たな技術に対応するソリューションの提供につながっている。そして、製品企画から製造、保守に至るまでを国内で一貫して提供する体制は顧客に安心をもたらしてくれる。

 まさに、「インダストリに貢献するPFUエンベデッド〜大きな信頼、使うと分かるPFUエンベデッド〜」を示す展示内容になっていたのではないだろうか。

※インテルXeon、インテルAtomおよびOpenVINOは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるIntel Corporationまたはその子会社の商標です。
※EtherCAT(R)は、ドイツBeckhoff Automation GmbHによりライセンスされた特許取得済み技術であり、登録商標です。
※MECHATROLINKは、MECHATROLINK協会の商標です。
※Linux(R)はLinus Torvaldsの米国及びその他の国における登録商標です。
※その他の会社名、製品名などは、各社の商標または、登録商標です。

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提供:株式会社PFU
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年12月31日

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