IIFES2019 特集
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» 2019年11月28日 07時00分 公開

スマートファクトリー:“10m以下”のオムロンと“100m以上”のシーメンスがスマート工場基盤で提携 (1/2)

オムロンとシーメンスは2019年11月27日、オムロンが展開するモノづくりデータ活用サービス「i-BELT」とシーメンスが展開するクラウドベースのオープンIoT基盤「Mindsphere」を連携させ、共同で実証実験を開始すると発表した。複数拠点の製造設備データを連携させ、複数拠点での課題解決を容易に実現できる仕組み作りを目指す。

[三島一孝,MONOist]

 オムロンとシーメンスは2019年11月27日、オムロンが展開するモノづくりデータ活用サービス「i-BELT」とシーメンスが展開するクラウドベースのオープンIoT基盤「Mindsphere」を連携させ、共同で実証実験を開始するとIIFES2019(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)会場で発表した。複数拠点の製造設備データを連携させ、複数拠点での課題解決を容易に実現できる仕組み作りを目指す。

photo 協業で握手をするオムロン 執行役員 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 企画室長の山本真之氏(右)と、シーメンス(日本法人)代表取締役の藤田研一氏(左)(クリックで拡大)

“高度10m”のIoTを進めるオムロンの「i-BELT」

 オムロンは製造業を取り巻くさまざまな課題に対し、IoTやAIなどの新技術をモノづくり現場に持ち込み新たな価値創出を目指す「i-Automation」というコンセプトを打ち出す。「i-Automation」の「i」は「innovative(革新的な)」を意味するとともに「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」の3つを示し、さまざまな取り組みを進めているところだ。

 さらにオムロンでは「競争領域」と「協調領域」を明確化しており、製造現場の情報を“高度”になぞらえて分かりやすく説明している。オムロンが事業を展開し「競争領域」とするのは“高度10m以下”と定める。これはセンサーやデバイスからコントローラーやエッジコンピューティング端末までの領域で、一般的に“製造現場”と呼ばれる範囲でのデータ活用を意味している。

 データをそれ以上の領域で使おうとすると工場全体でまとめなければならず、そのサーバなどが“高度100m”、さらに企業単位でまとめるためには工場の外に情報を送る必要がありクラウドコンピューティングの活用などが必要になり、この領域を“高度1000m"と位置付けている。さらに複数企業間や産業間など対象範囲が広がるがこの領域は“高度1万m”としている。

photo オムロンのスマート工場における事業領域の位置付け(クリックで拡大)出典:オムロン

 オムロンではこの“高度10m以下”の範囲で、オムロンが保有する20万種にも及ぶ制御機器など現場からのさまざまなデータを活用し、モノづくり現場の改善や高度化に取り組むためのサービス基盤として「i-BELT」(※)を展開している。入力機器や装置などでのセンシングによりデータを収集し、それを分析し、結果を現場にフィードバックするというサイクルを現場の中で回転させている。

(※)関連記事:オムロンが立ち上げるのは“標高10m以下”の最もエッジ寄りなIoT基盤

photo i-BELTサービスの概要(クリックで拡大)出典:オムロン

 「i-BELT」には、センシングを行うデバイスパートナーや、データ活用に使うアプリケーションパートナー、データの収納を進めるITパートナーなどの拡大を進め現在でも30社以上のパートナーが参加しているが、この新たなパートナーとしてシーメンスが加わることになる。

 オムロン 執行役員 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 企画室長の山本真之氏は「i-BELTサービスを展開する中で、複数拠点がかかわるモノづくりにおいてそれぞれの情報を共有したいというニーズが高まってきた。工場間の情報を結ぶためにはクラウド基盤が必要になる。そこで既に製造業向けで多くの実績を持つ『Mindsphere』を選んだ」と語っている。目指しているのは、複数工場があたかも1つの工場として稼働するような世界だという。

photo 複数拠点間がかかわるモノづくりが増加(クリックで拡大)出典:オムロン
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