特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2019年12月03日 10時00分 公開

製造業IoT:デジタル社会における人と機械の新たな関係、日本のスマート製造はどうあるべきか (2/2)

[長町基,MONOist]
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2030年以降、人と機械の関係はどうなっていくのか

 自動化により減る労働分野は、中程度のスキル(認知が必要な労働)であり、機械に置き換わって圧倒的に減少していくとみられる。一方、専門知識が必要な労働(高スキル)は増え、低スキルの労働は微減もしくは微増するとの見通しだ。

 日立は、ドイツ工業アカデミー評議会(acatech)のプロジェクトにおいて、2030年代以降に問題となることについて議論している。「人そのものの知識をどう継承していくのか、ここがクリティカルになる。ロングタームでみたときに、人の生産性を、どう維持、拡大していくか」(野中氏)。そして、持続可能な社会の実現に向けて、議論していく本質的な課題を、「機械化・自動化で労働生産性を飛躍的に上げてきた一方で、機械化・自動化は労働そのものも変化させてきた。では、今後のデジタル社会にあって、人と機械はとのように関わりあうべきか」(同氏)と定めた。さらに、「社会の絶え間ない進化によって、以前は高付加価値だった仕事が、高付加価値ではなくなっていくため、人や機械は、その変化に追従する必要がある」(同氏)とした。

 これらの他、野中氏は「人は機械が負うべき非高付加価値の仕事から、いつでも高付加価値の仕事に移行できるようにする必要がある」と、教育と労働の関係が含まれていることを指摘した。加えて、「機械が非高付加価値の仕事を追うだけでなく、人と機械の絶え間ないやりとりによって、人と機械によって高付加価値の仕事を生み出す必要がある」(同氏)などとしている。これらをかみ砕いて説明すると、人と機械が相互に高めあう仕組み(Multiverse Mediation)として「人間が生涯にわたり、クリエイティビティを発揮できる、新しい人間中心の製造システム」を提案していくことを日独で議論を深めているという。

 そのコンセプトとして、人と機械の相互作用の昔、今、将来にスポットを当てている。昔は人から人への伝承(技能者が初心者を教える)だったが、その場合、常に技能者が必要となるため、現在および将来の社会構造に適さない恐れがある。一方、機械は人間の能力不足を補うだけでよいというわけではなく、過度の支援により人間の本来持つ能力を退化させるリスクも予想される。

 機械と人の間に、仲介役(レギュレーション)が必要であることも議論されている。人および機械が持続可能な成長を促すために、共有するデジタル知識基盤というものを国や世界で構築する必要がある。共有デジタル知識基盤が人−人、人−機械、機械−機械の相互作用を、例えばAIが随時補助し、コミュニケーションを行う時に、適宜知識を追加することにより、新たなクリエイティビティを発揮して、持続可能な社会作りを行う。その結果をさらに蓄積して、その知識(ナレッジ)を人と機械が利用できるような形態に変換していく社会基盤を、2030〜2040年に構築することが重要のようだ。

 これらのデジタル技術の公共性を把握して、企業の活力に代えていくことが次の成長の鍵となる。目指すものは社会の可用性(ケイパビリティ)を高めるために、人と機械の絶え間ないやりとりによって、人と機械が高付加価値の仕事を絶えず生み出し、持続的社会の成長を実現していくこととしている。

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