「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

トヨタデンソー新会社はパワエレ、センサー、自動運転SoCを重視、2020年4月発足車載半導体

デンソーとトヨタ自動車は2019年12月10日、次世代の車載半導体の研究と先行開発を行う共同出資会社の概要を発表した。

» 2019年12月11日 08時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 デンソーとトヨタ自動車は2019年12月10日、次世代の車載半導体の研究と先行開発を行う共同出資会社の概要を発表した。社名は「MIRISE Technologies」で、2020年4月1日の設立を予定している。資本金は5000万円で、デンソーが51%、トヨタ自動車が49%を出資する。従業員数は設立時で500人を計画している。代表取締役社長はデンソー 経営役員の加藤良文氏が務める。

 2024年の中期方針として、クルマ軸と部品軸の両輪で、電動車や自動運転車の技術革新のカギとなる次世代の車載半導体をより早期に開発することを目指す。具体的に取り組むのは、パワーエレクトロニクスとセンシング、SoC(System on Chip)の3つだ。

 パワーエレクトロニクスでは、トヨタ自動車とデンソーがハイブリッド車で蓄積してきた半導体の材料、製造、設計技術を強みに、委託製造も含め主に内製を目指した研究開発を行う。センシングでは、内製に加え、共同開発先との協業も想定した開発を行う。また、SoCに関しては、将来のモビリティに最適なSoCの仕様を明確化する機能を強化していく。

 これらの分野にスピーディーかつ競争力のある体制で取り組むべく、大学や研究機関、スタートアップ企業、半導体関連企業との連携を協議する。また、半導体技術者の採用を強化していく。また、2030年には、「豊かな環境、安全と心地よさを併せ持つモビリティ社会が実現され、そのコアをMIRISE Technologiesの半導体エレクトロニクスが担っている」(トヨタ自動車)という姿を目指す。

 社名のMIRISEはMobility Innovative Research Institute for SEmiconductorの頭文字をとった。また、未来とRISE(上昇)を組み合わせた意味も持たせた。

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