特集
» 2019年12月25日 10時00分 公開

メカ設計 年間ランキング2019:暑いぞ熊谷! ニコンの熱いモノづくり、戦い激しいガチャ市場、意匠法は今風に (1/3)

2019年に公開したメカ設計フォーラムの全記事を対象とした「人気記事ランキング TOP10」(集計期間:2019年1月1日〜12月22日)をご紹介します。

[八木沢篤,MONOist]

 メリークリスマス! 毎年恒例の年間ランキングの時期がやってきました。

 この1年間のニュースを振り返ってみても、実にさまざまな話題がありました。挙げればきりがありませんが、明るい話題としてはテニスやゴルフ、そしてラグビーといったスポーツ界での日本人の活躍が目立ちました。また、同じ日本人の活躍という意味では、吉野彰さんのノーベル化学賞受賞も忘れられませんね。

 MONOist編集部もこの1年、モノづくり現場の課題解決という使命の下、日本のモノづくり現場を元気にするための話題をたくさん提供してきました。今回は2019年に公開したメカ設計フォーラム関連の記事を対象に、「2019年 人気記事ランキング TOP10」(集計期間:2019年1月1日〜12月22日)をご紹介します。

≫MONOist年間ランキングのバックナンバー


ニコンの光学技術と精密制御技術が生んだ光加工機

 2019年、メカ設計フォーラムで最もよく読まれた記事は「光学技術に強みを持つニコンが本気で作った“常識破り”の金属3Dプリンタ」でした。

ニコンの光加工機「Lasermeister 100A」 ニコンの光加工機「Lasermeister 100A」[クリックで拡大]

 ニコンが2019年4月に受注を開始した光加工機「Lasermeister 100A」の開発拠点、ニコン 熊谷製作所の「Lasermeister Technology Center」にお邪魔し、開発責任者に開発の経緯や同製品の特長を詳しく聞いてきた記事となります。ちなみに、取材したタイミングは梅雨入り前の5月末。そのとき、ここまでラグビーワールドカップが盛り上がるとは思ってませんでしたが、さすが熊谷、日差しが強くとても暑い日だったことをよく覚えています。

 ニコンといえば、カメラ(映像事業)のイメージが強いですが、半導体露光装置をはじめとする精機事業、X線/CT検査システムや3次元測定機といった産業機器事業などにも注力しており、高い技術力を誇っています。Lasermeister 100Aは、半導体露光装置などを開発する半導体装置事業部が新規事業として手掛けた、ニコン“初”となる加工機で、長年培ってきた光学技術と精密制御技術の強みを生かし、多様な金属加工機能を提供します。その機能の1つが金属材料の付加積層造形、いわゆる金属3Dプリントです。

 金属3Dプリンタは市場的にまだまだ高額で、活用できる人材も少なく、その用途も明確に確立されていません。そんな状況を踏まえ、ニコンは「金属造形をより身近に、より手軽に」をテーマに開発をスタート。3000万円という低価格化とともに、軽量、コンパクト設計を実現し、従来の金属3Dプリンタと一線を画す存在としてLasermeister 100Aを市場投入しました。

光加工機「Lasermeister 100A」の実現に向けてニコンは集光レンズやレーザーを独自開発した 光加工機「Lasermeister 100A」の実現に向けてニコンは集光レンズやレーザーを独自開発した[クリックで拡大]

 取材当時(2019年5月)、製造業の現場はもちろんのこと、まずは大学の研究室やファブラボのようなメイカースペースでの設置を狙うとしていましたが、その展開の方向性はまだ模索段階だとしていました。

 あれから約半年、同年11月に発表されたDMG森精機との業務提携によって、製造業への展開が加速しそうな気配です。ニュースリリースによると、DMG森精機のグローバルな販売網を活用して、Lasermeister 100Aの展開を強化するというのです。新規事業としてニコンの本気が注がれた同製品が、今後どこまで製造業の現場に浸透していくのか、しっかりと見守っていきたいと思います。

 ちなみに、複数の大型AM(Additive Manufacturing)装置を有するDMG森精機は「Formnext Forum Tokyo AM業界セミナー/交流会」(2019年9月開催)の中で、AM技術の普及はまだ途上だとし、「既存技術の代替えではなく、新技術としてAMでなければできない形状、AMでなければできないシチュエーションを見いだすことが重要だ」と述べています(関連記事:DMG森精機が示す金属3Dプリンティング“3つの使い道”)。

 これは金属に限らず、3Dプリンタ/AM全般で長らく言われていることだと思いますが、ユーザー自身が単なる試作の域を超えた“ならではの使い方”を見いだせるかどうかがカギを握っている部分でもあるので、小さな事例やチャレンジを二人三脚で積み重ねていく覚悟をどこまで持てるのか、装置メーカーとしての度量が問われる部分でもあるでしょう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.