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» 2019年12月26日 11時00分 公開

組み込み開発 年間ランキング2019:ラズパイ4とJetson Nanoは大注目、パナソニックを変える“懲役5年”おじさんとは (1/2)

2019年に公開したMONOist組み込み開発フォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位に輝いたのは、3年ぶりの新モデルが発売されたあの製品の解説記事でした。

[朴尚洙,MONOist]

⇒MONOist年間ランキングのバックナンバー

 2019年は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった技術が組み込み機器業界でも当たり前のものとなり、そこからどういった価値を生み出せるのかをよりリアルに問われるようになった1年ではないかと思います。経営陣からの「取りあえずIoTをやれ」「AIをやれ」という抽象的な指示(とあまり潤沢でない予算)にあたふたと対応していた状況から、年々充実していくIoTやAIに関連するハードウェアやソフトウェア、開発ツールを使って、自社の事業やモノづくりに具体的に役立てるフェーズに入っているはずです。

 また、MONOistのフォーラム名でもある「組み込み(Embedded)」に替わって「エッジ」という言葉の勢いがさらに増した1年だったのではないでしょうか。その役割をさらに大きなものとしているクラウドと対比する上で、エッジという言葉の方が理解しやすいというのもあるでしょう。特にAIについては、「組み込みAI」ではなく「エッジAI」と呼ぶことの方が多くなってきました。

 そんな2019年、最も多く読まれたのは一体どんな記事だったのでしょうか。2019年にMONOist組み込み開発フォーラムで公開した記事のランキング(読まれた回数)ベスト3とトップ10、そして(編集担当が)興味深かった記事を幾つか紹介したいと思います。

1位〜3位を発表!

Raspberry Pi 4 Model B Raspberry Pi 4 Model B(クリックで拡大) 出典:Raspberry Pi財団

 第1位に輝いたのは、「新型Raspberry Pi 4が登場、Pi 3と基本仕様を比較」でした。

 IoTのPoC(概念実証)と言えばラズパイというくらいに、カメラをはじめとしたさまざまなセンサーと接続できる安価な小型コンピュータボードとして普及した「Raspberry Pi」。2016年に発売された「Raspberry Pi 3」でその地位を確固たるものとしたイメージがありますが、最新モデルとなる「Raspberry Pi 4」とRaspberry Pi 3の性能を比較した記事が1位に入りました。

 3年ぶりの新モデルとなるRaspberry Pi 4は、プロセッサ、グラフィックス、インタフェースなどの面で順調に進化したようです。2019年11月末から技適マークを取得した国内向けモデルの販売も始まっており、今後のメインストリームはRaspberry Pi 4に移っていくのかもしれません。

 なお、6位には、国内販売解禁と同時に秋葉原で購入してきた「Raspberry Pi 4 Model B」によるベンチマーク記事「技適対応で国内販売解禁の「Raspberry Pi 4」、確かな性能向上も爆熱に!?」がランクインしています。担当の松本記者が四苦八苦しているのを見て、Raspberry Pi 3と同じ感覚で使うのは難しそうだなと感じましたが……今後の展開を見守りたいと思います。

無線通信テクノロジーにおけるLPWA(LPWAN)の位置付け 無線通信テクノロジーにおけるLPWA(LPWAN)の位置付け(クリックで拡大)

 第2位に入ったのは、ソラコムの松下享平氏によるLPWA(省電力広域)ネットワークの解説記事「いまさら聞けないLPWAの選び方【2019年春版】」でした。

 処理能力や電力供給に制限があることが多いIoTデバイスでは、PCやスマートフォンなどで広く利用されている携帯電話通信やWi-Fiが適しているとはいえません。LPWAは、その名の通り、ボタン電池による電力供給でも年単位の動作が可能な低消費電力性能や、km単位の広域で通信が可能なことを特徴しているのですが、2019年の新年展望記事「百花繚乱のLPWAネットワーク、製造業は使いこなせるのか」でも紹介した通り、現時点で極めて多くの選択肢があります。

 本記事は、さまざまなLPWAの技術を紹介するというよりも、ユーザー自身の用途に最適なものを選ぶためのガイドとして執筆していただきました。2020年からは、IoT向けの利用も想定される5Gサービスも本格化しますが、本記事で紹介した選択の基準は十分に応用がきくと思います。

「Jetson Nano」のパッケージ 「Jetson Nano」のパッケージ(クリックで拡大)

 第3位には、短期連載として企画した「Jetson Nanoで組み込みAIを試す」の第1回記事『まずは「Jetson Nano」の電源を入れて立ち上げる』が入りました。

 第1位で取り上げたラズパイはIoTデバイスとして最適な性能がありますが、AIエンジンを動作させるにはどうしても非力な場合が多くあります。この短期連載で取り上げた「Jetson Nano」は、ラズパイと同様の小型コンピュータボードでありながらNVIDIAのGPUが搭載されているので、AIを試す上で最適な製品に仕上がっています。何よりNVIDIA製品にもかかわらず99米ドルと安価なことも魅力です。

 本連載第2回の『「Jetson Nano」を“まとも”に使えるようにする』が年間ランキングの7位に、第3回の『「Jetson Nano」のCUDAコアで“Hello AI World”を動作させてみる』が同10位に入っていることからも、その注目度を理解していただけるかと思います。

 第4〜10位については、以下のランキング表から記事内容を確認していただければと思います。

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