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» 2020年01月06日 06時00分 公開

今だからこそ!モデルベース開発入門(1):どうして今、自動車にモデルベース開発が必要なんだろう (2/3)

[齊藤由希,MONOist]

「モデル」と聞いて何が思い浮かびますか

アトランティックモーターはモデルベース開発で昔よくメディアに取り上げられていましたね。モデルって結局、何なのでしょうか? モデルベース開発って何をすることなんでしょうかね。


昔、モデルは要求や要件をシミュレーションできることから“動く仕様書”とか“実行可能な仕様書”と呼ばれていたね。ただこれが正確な表現かというと、そうとは言い切れないとも感じている。

エンジニアの専門分野によってモデルと聞いて想像するものはいろいろあるんじゃないかな。機械設計の人は3Dモデルのことを考えるかもしれないし、電気回路の設計者は電気回路のことをモデルというよ。


一般的な言葉として考えても、洋服を良く見せる上で理想的な体形の人をモデルと呼ぶなあ。


他にも仕事でのいいやり方の事例はモデルケースって言うしね。シミュレーションやCAEを使うこともモデルを使っているという意味で間違いではないが、その自動車メーカーの人がどんな意図があって「モデルベース開発でやってほしい」と言ったのか、考えた方がいいだろうね。


モデルベース開発より、モノでやる方が早くないですか?

モデルにいろいろな意味があるのは分かったけど、ウチの会社に関係あるんですかね。シミュレーションで複雑なことをやるくらいなら、モノを作って動かした方が早いと思うんですけど。


モデルベース開発で手戻りが減ったという実感はウチも他社も結構あるって聞いた。モデルで見えたことと実機がある程度合っているという手応えもあるんだ。モノを作って動かした方が早い場面もあるけど、八木崎だって「これ以上は仕事が回らない」って言ってたね。自動車メーカーだってそうだと思う。

僕の上司のその上の上司の受け売りだけど、モデルベース開発をやる意義ってそこにあると思うんだ。モノを作って実物で試しながらやっていくには限界がある。燃費改善に飛び道具なんかない。どこかの部品が良くなればそれでおしまいとはいえないし、全体を見ながら何をどう変えたら燃費が良くなるか把握しながらやりたいんだよ。


全体を見ながら、というのは確かに効率が良さそうですね。でも使えるところが限られているような気もします。


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