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» 2020年01月15日 10時00分 公開

製造業のデジタル変革:グローバル化と価値経営、製造業に迫る変化への「柔軟性」をどう獲得するか

グローバル化への対応や、価値経営へのシフト、デジタル変革など、製造業には多くの外的、内的の両面で変化への対応が強く求められている状況だ。こうした中で変化に柔軟に対応していくためには「土台となる基幹業務システムがますます重要になっています」と訴えるのが、ビジネスエンジニアリングである。なぜ基幹業務システムが変革の鍵になるのだろうか。同社の取り組みと新たな製造業のあるべき姿について紹介する。

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 製造業を取り巻く環境は大きく変化している。人口減少局面に日本国内市場の縮小が予測される中、製造業にとってはグローバル化が必須となりつつある。また、SDGsやESG経営など、企業経営の中で、売上高や利益などだけではなく、社会価値に重きを置く「価値経営」がより重視する動きが強まっている。さらに技術的にはデジタル化の領域が広がり、ビジネスモデルなどを大きく変革する可能性に直面せざるを得なくなっている。

 製造業にとって、これらの多岐にわたる問題に対して製造業はどのような取り組みを進めていかなければならないのだろうか。「製造業の変革を支えるには、土台となる基幹業務システムについてまず考える必要がある」と訴えるのが、製造業向け基幹業務システムを展開しているビジネスエンジニアリング(B-EN-G)である。B-EN-Gの取り組みを通じて、製造業の将来のあるべき姿について紹介する。

製造業のビジネス変化に追随できないシステムからの脱却

 「製造業を取り巻くさまざまな環境変化に対して、本来ビジネスを効率的に支えるものだったはずの基幹業務システムが変化に追随できずに足を引っ張ってしまう可能性があります」と警鐘を鳴らすのはB-EN-Gのプロダクト事業本部 コンサルティングサービス本部 プロダクトコンサルティング部長の吉原一記氏である。

 個々の課題に俊敏に対応していく必要がある中、これらへの対応の足かせになっているのが、既存システムのレガシーシステム化という問題であるというのだ。

photo B-EN-Gのプロダクト事業本部 コンサルティングサービス本部 プロダクトコンサルティング部長の吉原一記氏

 「デジタル変革やグローバル化など従来のビジネス領域では考えられなかった変化が目まぐるしいスピードで起こっている状況です。『レガシーシステム化』とは、古い技術や過去の業務プロセスで固定化したシステムの状態を意味しますが、既存システムがレガシーシステム化することにより、これらの変化に対応し、新たな成長につなげることが難しくなっています。旧態依然とした業務プロセスを変革して効率化したくても、それを支えるシステムに手をいれようとすると、改修には膨大なコストと時間がかかってしまう状況が生まれています。加えて、AIやIoTなどの最新テクノロジーを導入したくても、連携は非常に困難であるような状況もデメリットとなっています」と吉原氏は強調する。

 その意味で日本の製造業は、これまでメインで使ってきた会計中心のオールインワン型ERPを見直すべき時期に差し掛かっているといえる。もちろん、オールインワン型ERPの全てを否定するわけではない。あらゆる業務処理がリアルタイムに会計につながるという良さもあるからだ。特に経済が右肩上がりで成長し、大量生産を行っていた時代は、会計さえしっかり統制できていれば企業経営はうまく回っていた。

 しかし、今はまったく状況が異なってきている。市場ニーズの激しい変化や多様化が進む中で、製品はより個々のニーズに適切に応えていくために、生産では多品種少量生産化が加速している。また、出荷後の製品に対しても厳しい目が向けられており、ロットや単品レベルでのトレーサビリティーを確立することが求められる。こうした製造業に期待される役割が、より詳細で高度なものになる中で、全社や事業別レベルの売上高や利益などだけを見ていては最適な経営判断が下せないような場面も増えてきているのだ。

 製造業であれば、財務的な面での金銭的な動きだけではなく、正確なモノの動きを合わせて把握できて、初めて適切な判断を下すことができる。モノの動きを見るといっても、原材料や工程間、最終製品までさまざまなフェーズでのモノの動きを、顧客ごとや製品ごとに把握することが求められる。しかし、会計を中心とした従来型のオールインワン型のERPでは、会計との密連携が足かせとなり、サプライチェーンマネジメント(SCM)機能を持っていたとしても、十分に活用できていなかったり、変化に追従できていなかったりするケースが多い。

 こうした状況の中で注目されているのが、B-EN-Gが提供している生産・販売・原価管理パッケージ「mcframe 7」である。吉原氏は「mcframe 7はフレームワークコンセプトで開発されたSCM基盤で、連携アダプターを使用することで、MES、スケジューラ、PLM/PDM、EDI、会計などの機能モジュールを用意し、周辺システムとのシームレスな連携を実現する疎結合型のERPです。会計機能はありませんが、むしろ疎結合であることによって、業務領域ごとに異なる「扱うデータの粒度・鮮度の違い」や「変化のペースの違い」を吸収することができ、システム構築や改変を効率よく機敏に行うことができます」と特長について語る。

photo mcframe 7の概要(クリックで拡大)出典:B-EN-G

 また、mcframe 7はフレームワークコンセプトにより、パッケージシステムとカスタムシステム双方の“いいとこ取り”をしたシステム導入が可能となっている。自社独自である必要のない業務はパッケージを軸に標準化を進めつつ、他社と差別化したい業務は自社の強みを生かし続けることで、競争力をより強固なものにしていくことができるのだ。

ビジネス戦略に活用できる原価管理へ

 mcframe 7を使うことでどんなことが可能となるのか、さらに掘り下げて見ていこう。日本の製造業から特に高い評価を獲得しているのが原価管理の機能である。

 グローバル競争に打ち勝ち、利益を確実に上げていくためには原価を的確に把握し、迅速な意思決定を支援していくための仕組みが不可欠となる。mcframe 7では「標準原価」「予算原価」「実際原価」「速報原価」の4つの原価計算機能を提供し、原価管理のPDCAサイクルを構築できる。これにより、「財務のための原価計算」から「ビジネス戦略に活用できる原価管理」への転換をサポートする。

photo 原価管理のPDCAサイクル(クリックで拡大)出典:B-EN-G

 吉原氏は「モノが足りない時期には製造業にとっては売上高を伸ばせば自然に利益も増えて企業としても成長できました。しかし、現在の製造業のビジネスを考えると一概に売上高を伸ばしても損益でプラスに働かないような状況も生まれています。その中で、原価をきめ細かく管理できれば、例えば『この製品はもう少し値下げをしても収益性が確保できる』や『引き合いがあっても収益面で厳しいので減らすべきだ』などの判断をできるようになります」と述べている。

 具体的には、予算原価計算機能では「計画重視型の原価管理」を実現する原価シミュレーション環境を備えている。ボトムアップ方式で製品利益を積み上げた予算P/Lを算出することで、「地域別」「顧客別」「製品別」「担当者別」に達成すべき責任利益を明確にし、「使える予算」として予実分析のための基礎情報を提供できる。また、実際原価計算機能では、品目別の「総合原価計算」の他、ロット別・製番別など任意の集計キー(セグメント)による「個別原価計算」に対応。きめ細かな配賦機能により、実態に即した実際原価を把握することが可能である。

 実際、標準原価だけを見ていてもビジネスの正確な実態はつかみ切れないケースも多い。ある電機部品メーカーでは、大手メーカーから毎月数十万台という大量の注文を受けていたが、実際原価を計算し、標準原価との差異分析を行ったところ、ほとんど利益が取れていないことが明らかになったという。「得意先ごと、製品ごとの損益をしっかり見ていないと、利益を確保することは困難です」と吉原氏は語る。

価値経営へのシフトで見るべき指標の変化

 mcframe 7の導入によってもたらされるもう1つの変革として、多くの製造業から近年特に注目されるようになったのが「価値経営」へのシフトである。

 「顧客の需要に対して遅滞なく製品やサービスを供給できているか、不良を少なくして信頼に応えているか、適正な価格を提示できているかといった、顧客視点に立った価値を提供することが、結果として継続的にビジネスを拡大していくことにつながります」と吉原氏は説明する。こうした価値を中心に組織の運営を最適化するのが価値経営である。

 価値経営を基準に考えた場合、見るべきKPI(重要業績評価指標)も変わってくる。会計系の指標は企業存続のためには重要だが、「価値経営」を考えた場合、生産系のさまざまな指標にももっと目を向けていく必要がある。「そうした中でMESやIoT、PLMなど生産系の具体的な動きを把握できるシステムとの柔軟な連携が大きなポイントとなります。そこにmcframe 7のメリットが生きてきます」と吉原氏は強調する。

photo mcframeのプロダクトポートフォリオ(クリックで拡大)出典:B-EN-G

 さらにB-EN-Gはmcframe 7の周辺にもさまざまな連携ソリューションを展開し、設計と製造の壁、経営と現場の壁、会社間の壁など「バリューチェーンの壁」を超えるべく、製造業のデジタル変革を強力にサポートしている。

 例えば「mcframe IoT シリーズ」は、製造現場から収集した「機械」と「人」に関する情報をデジタル化し、勘や経験などの暗黙知を形式知として活用できる資産に変える。また、海外現地法人の情報を一元管理するグローバル経営管理ソリューションとして「mcframe GAシリーズ」があり、会計事務所によるアウトソーシングを行う「GLASIAOUS」、現地会計パッケージのデータをmcframe GAへ一元的に集約する「mcframe GA Global Link」から利用形態を選ぶことができる。

 さらに2019年11月には、製造業のためのデータ活用基盤「mcframe COCKPIT」の提供を開始した。これはB-EN-Gが提唱する「ものづくりデジタライゼーション」のコンセプトを体現するもので、蓄積したデータを多彩なグラフや表でグラフィカルに表現するダッシュボード「mcframe COCKPIT MB」、大量データの高速処理を特徴とするBIエンジン「mcframe COCKPIT DS」、ユーザー企業向けにデータ活用を容易にする製造業向けダッシュボードテンプレートから構成されている。ダッシュボードテンプレートには、これまでB-EN-Gが700社近いmcframe導入を通じて蓄積してきた知見や活用ノウハウが詰まっており、経営から現場まで階層に応じた意思決定と改善アクションを支援する。

photo バリューチェーンの壁を超える(クリックで拡大)出典:B-EN-G

グローバルの製造業から選ばれるパッケージへ

 これらのように機能を拡大していくmcframe 7のさらなる進化の鍵を握っているのがクラウドだ。企業規模によって温度差はあるもの「平均で40%近い顧客がクラウドを選択しており、さらに伸びていく傾向にあります」と吉原氏は語る。特に大きなポイントになるのが、「Microsoft Azure」との連携である。

 例えば先述のmcframe IoT シリーズの中の稼働監視サービス「mcframe SIGNAL CHAIN」では、Microsoft Azure上でサービスを運用しているという。同様にmcframe GAシリーズの運用基盤となっているのもMicrosoft Azureだ。

「今後、日本の製造業が価値経営へのシフトを急速に進めていく中で、より高度なIoT、機械学習や画像認識などのAIを活用したいというニーズが必然的に高まっていきます。そうしたテクノロジーをPaaSとして、柔軟かつ短期間で導入できるのもMicrosoft Azureならではのメリットです。マイクロソフトから手厚い技術サポートを得ることができ、開発チームのエンジニアも大きな信頼を寄せています」と吉原氏は語る。

 そして、その先にB-EN-Gが見据えているのが、mcframe 7そのもののグローバル展開強化だ。これまでもmcframe 7は海外進出した日系企業のASEANや中国、北米、欧州の拠点で使われてきたが、これらの海外での展開をさらに広げていく方針だ。「日系企業だけでなく、グローバルのさまざまな企業から選ばれる価値経営実現のソリューションを目指します」吉原氏は目標を示している。

 B-EN-Gでは中国、タイ、インドネシア、シンガポールに続き、2017年8月に米国にも現地法人を設立。既に海外で数多くの導入実績を持つ従来のmcframeシリーズに加え、mcframe 7を本格的にワールドワイドで展開していく体制を整えつつある。これらの海外展開を強化する中で個々の拠点にオンプレミス環境を構築するのは現実的ではない。当然クラウドの利点を最大化していくことが求められるが、そのキーパートナーとしてMicrosoft Azureの活用を強化することを決めたという。

 吉原氏は「Microsoft Azureはグローバルでの環境があるというのが大きい他、Microsoft Azureの持つ先進的なCognitive Serviceなどの技術を継続的に活用できる点も大きな魅力でした。生産管理の領域などではクラウドの活用は遅れていますが、今後はグローバル化が当たり前の状況の中で加速度的に増えると考えています。マイクロソフトとの連携をステップにさらにグローバル展開を本格化させていきたいと考えています」と今後の取り組みについて語っている。

 製造業のさまざまな変化に柔軟に対応し、さらにグローバルでのサポートを強化する。B-EN-GとMicrosoft Azureの組み合わせは、今後の製造業の変革を支える重要な基盤の1つになるかもしれない。

photo グローバル展開への意欲を語る吉原氏(クリックで拡大)出典:B-EN-G

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年2月14日