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» 2020年01月17日 11時00分 公開

ママさん設計者が教える「設計者のための部品加工技術の世界」(4):“丸モノ”を削り出す、切削の代表格「旋盤加工」の技術 (2/3)

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]

NC旋盤

 手動による普通旋盤の不得手な形状加工を得意とする旋盤が、NC旋盤です。これは、ZとXの2つの軸にサーボモーターを取り付けて人力の代替とし、その移動量や速さなどの制御をコンピュータが行って加工するものです。加工にはプログラムが必要です。プログラムは、加工物単位で作ります。

 NC旋盤の中には、途中で加工物の回転を止めて、エンドミルを使った溝加工やDカット、横穴、横タップといった2次加工を行える機械があります。汎用旋盤加工の座標の他に、回転切削工具の軸を持っていることから、この旋盤は「NC複合旋盤」と呼ばれています。複合旋盤は、複雑形状品の単品から多品種小ロットまでのロットに適しています。

 図5図6は複合旋盤の第1工程で外径を削っているところです。黄色○で示した部分に注目すると、回転する加工物にバイトが当てられて、徐々に形を変えていく様子がイメージできるでしょうか。次の工程では、右側のタレットと呼ばれる刃物台を回転させることで工具をチェンジして加工していきます。複合旋盤は、1回のチャッキングで最終まで加工できるので、芯ブレがなく安定した品質を維持できます。

図5 複合旋盤の第1工程で外径を削っている様子(1) 図5 複合旋盤の第1工程で外径を削っている様子(1)[クリックで拡大]
図6 複合旋盤の第1工程で外径を削っている様子(2) 図6 複合旋盤の第1工程で外径を削っている様子(2)[クリックで拡大]

CNC自動旋盤

 次にお見せするのはCNC自動旋盤です。先に紹介した3つの旋盤では、いずれも必要な長さに切断された材料をセットして加工しますが、CNC自動旋盤は、長いままの定尺材料をそのまま自動的に送り出して加工していきます。この仕組みから、CNC自動旋盤は「バーワークマシン」、つまり長尺の棒材料をそのまま使う加工機とも呼ばれています。

 図7の左側の装置が材料を送り出す「バーフィーダー」です。自動旋盤の利点は、材料交換や段取り替えの手間が省けることによる長時間の無人運転です。ですから、これは継続的な大量生産向きの旋盤なのです。1つ、2つの試作のために、自動旋盤を使うことはありません。単品や試作には汎用旋盤やNC旋盤、複合旋盤を使い、それが大量生産に移行する際には自動旋盤の利用を検討するという流れが一般的です。

図7 「CNC自動旋盤」(右)と材料を送り出す「バーフィーダー」(左) 図7 「CNC自動旋盤」(右)と材料を送り出す「バーフィーダー」(左)[クリックで拡大]
図8 材料がセットされた状態の「バーフィーダー」の内部 図8 材料がセットされた状態の「バーフィーダー」の内部[クリックで拡大]

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