令和のETロボコンはベストタイム方式、「リミッター外し」で一発逆転も〜ETロボコン2019チャンピオンシップ大会〜ETロボコン2019(2/4 ページ)

» 2020年01月21日 10時00分 公開
[大塚実MONOist]

ルール変更で早速盛り上がったアドバンストクラス

 それでは、競技の結果についてお伝えしよう。まずはアドバンストクラスだ。

アドバンストクラスのコース。左右がほぼ対称になっている アドバンストクラスのコース。左右がほぼ対称になっている(クリックで拡大)

 競技コースは、前半の走行エリアと、後半のゲームエリアに分けられる。前半はライントレースによりゴールまで走行し、そこで走行タイムを確定。後半のゲームでボーナスタイムを獲得し、走行タイムから引いた「リザルトタイム」で順位を争う。なるべく早くゴールした上で、ゲームでしっかり満点を狙うのが基本的な戦略だ。

 今回のゲームは、初めて導入された「ブロックビンゴ」である。3×3のマス目の中に、4色の円が描かれており、その色と同じブロックを置くことができれば得点となる。このとき、ブロックを3個並べるとビンゴが成立、作った列の数(最大4)に応じたボーナスタイムも獲得できる。

新競技「ブロックビンゴ」 新競技「ブロックビンゴ」。円は4色、ブロックは5色が用意されている(クリックで拡大)

 さらに、コース脇に置かれた固定カメラを使って、マス目の横の数字カードを認識。その番号のマス目に黒いブロックを置くことができれば、追加でボーナスを得られる。なおブロックの初期位置は毎回ランダムに決まるため、その初期位置もカメラを使って認識する必要がある。

 パーフェクトだと29.5秒ものボーナスタイムを得られるのだが、難易度的にはかなり高いため、多くのチームが苦戦。出場14チーム中、パーフェクトを達成できたのはわずか4チームだけだった。

 中でも圧巻だったのは「たかばーす」(日立オートモティブシステムズ)だ。このチームは今回唯一、2回ともパーフェクトを達成。あまりにも自然にブロックを運ぶため、まるでゲームが簡単なように見えてしまうが、他のチームに比べると、とにかく動きが安定していて早い。走行も14.3秒と早く、リザルトタイムは文句なしの1位だった。

会心の走りを見せ、喜ぶたかばーすのメンバー 会心の走りを見せ、喜ぶたかばーすのメンバー(クリックで拡大)
たかばーすの1回目(Rコース)。驚異的な早さで今大会初のパーフェクトを達成(クリックで再生)
たかばーすの2回目(Lコース)。時間切れギリギリで再度パーフェクトを達成(クリックで再生)

 1回目の走行では、最後に登場した「土浦れんこんさんチームR」(日立建機)もパーフェクトを達成。走行タイムが15.1秒と、わずかに及ばなかったのだが、2回目の走行ではすでに2位以上が確定していたため、「リミッターを外した」走行にチャレンジ、あえなくリタイアとなったものの、新ルールで早速会場を盛り上げていた。

土浦れんこんさんチームRの1回目(Rコース)。2チーム目のパーフェクトを達成(クリックで再生)
土浦れんこんさんチームRの2回目(Lコース)。一発逆転を狙ったものの……(クリックで再生)
順位 チーム名
1位 たかばーす(日立オートモティブシステムズ)
2位 土浦れんこんさんチームR(日立建機)
3位 KAMOGAWA(京都高等技術専門校システム設計科)
表 アドバンストクラスの競技結果

 なお今回の走行体は3輪型の「HackEV」で、前回とほぼ同じ仕様なのだが、ジャイロの向きがピッチ軸からヨー軸に変更された。方向の検出に利用することが可能になり、エンコーダーと合わせて、精度の向上に活用していたチームもあったようだ。

 総合結果では、「デンソルジャー」(デンソー)が優勝。同チームは競技自体は4位だったものの、モデル審査で最高評価を受け、合計で大逆転を果たした。同チームは2回目の走行でパーフェクトを達成。新ルールの影響で順位こそ4位にとどまったものの、2回とも安定した走行をそろえてきたのは見事だった。

順位 チーム名
1位 デンソルジャー(デンソー)
2位 土浦れんこんさんチームR(日立建機)
3位 NKHSオールスターズ(日本工学院北海道専門学校情報処理科)
表 アドバンストクラスの総合結果
アドバンストクラス総合優勝の「デンソルジャー」チーム アドバンストクラス総合優勝の「デンソルジャー」チーム(クリックで拡大)
ちなみに最速の走行タイムはMOTION & CONTROL DA(Lコース)の13.3秒。ユニークなショートカットを見せていた(クリックで再生)

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