データムを必要とする幾何公差【その5】〜位置公差の位置度〜産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(12)(2/4 ページ)

» 2020年02月03日 10時00分 公開

2−1−2.直線形体の位置度

(1)一方向の位置度
公差域の定義
 その方向に垂直で理論的に正確な位置にある幾何学的直線(※注1)に対して対称な幾何学的平行2平面でその直線形体(L)を挟んだときの、2平面の間隔(f)で表す。

※注1:図2の平面(PT)は、理論的に正確な位置にある幾何学的直線を含み、その方向に垂直な平面を示す。

一方向の位置度 図2 一方向の位置度[クリックで拡大]

参考:

直線形体が同一平面上にある場合の直線形体の位置度は、理論的に正確な位置にある幾何学的直線(LT)に対して対称な幾何学的平行2直線でその直線形体(L)を挟んだときの、2直線の間隔(f)で表す(図3)。

直線形体が同一平面上にある場合の直線形体の位置度(参考図) 図3 直線形体が同一平面上にある場合の直線形体の位置度(参考図)[クリックで拡大]


(2)互いに直角な二方向の位置度
公差域の定義(JIS原文から参照図番号を編集)
 互いに直角な2方向の位置度は、その2方向にそれぞれ垂直で理論的に正確な位置にある幾何学的直線(LT)に対して対称な2組の幾何学的平行2平面でその直線形体(L)を挟んだときの、2平面の間隔(f1、f2)、すなわち2組の平行2平面で区切られる直方体の2辺の長さで表す。

互いに直角な2方向の位置度 図4 互いに直角な2方向の位置度[クリックで拡大]

(3)方向を定めない場合の位置度
公差域の定義(JIS原文から参照図番号を編集)
 方向を定めない場合の位置度は、理論的に正確な位置にある幾何学的直線(LT)を軸とし、その直線形体(L)を全て含む幾何学的円筒のうち最も径の小さい円筒の直径(f)で表す。

方向を定めない場合の位置度 図5 方向を定めない場合の位置度[クリックで拡大]

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