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» 2020年02月21日 11時00分 公開

タイヤ技術:深層学習で自動車の「タイヤ力」を可視化する技術を開発、TOYO TIREが発表

TOYO TIREは深層学習などのAIなどのデジタル技術を活用して、走行中の路面状態やタイヤの状態に関するデータから、「タイヤ力」をリアルタイムで可視化する技術を開発した。

[池谷翼,MONOist]

 TOYO TIREはAI(人工知能)技術の1つである深層学習を活用して、「タイヤ力」をリアルタイムで可視化するセンシング技術を開発した。同社が2020年2月7日に東京都内で開催した記者発表会で明らかにした。

TOYO TIRE 技術開発本部 先行技術開発部 設計研究・技術企画グループ 担当リーダーの榊原一泰氏 TOYO TIRE 技術開発本部 先行技術開発部 設計研究・技術企画グループ 担当リーダーの榊原一泰氏

 タイヤ力とはTOYO TIREが独自に定義した造語で、簡単に言えばタイヤのグリップ力のことだ。TOYO TIRE 技術開発本部 先行技術開発部 設計研究・技術企画グループ 担当リーダーの榊原一泰氏は「『乾いている』『ぬれている』『凍っている』といった路面情報の他、タイヤの空気圧や荷重、摩耗状態、車両の走行速度などの情報を総合し、タイヤ力を推定する仕組みを開発した」と説明する。

 また榊原氏は、タイヤ力を把握することの利点について「先の見えないカーブに差し掛かったり、凍結した路面を走行したりする際に、『現在のタイヤ力で安全に運転を続けられるか』を運転手に伝達できるようになる」と語った。

TOYO TIREが定義する「タイヤ力」の内容[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE TOYO TIREが定義する「タイヤ力」の内容[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE

 路面情報とタイヤの状態に関する情報は、タイヤとホイールに装着した各種計測機器やセンサーから取得する。これらの情報を深層学習などを活用した「タイヤ力推定モデル」に受け渡し、タイヤ力を推定する仕組みだ。タイヤ力推定モデルはPoC(概念実証)ベースで構築済みだという。このPoCでは、さまざまな条件下での学習データを収集させることでタイヤ力の推定精度を向上させている。なお、タイヤ力推定モデルの構築には、AIを活用したアナリティクスなどを手掛けるSAS Institute Japanが技術協力を行った。

センサーから得た情報を基にタイヤ力を推定する[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE

 構築したモデルを使って推定したタイヤ力は、グリップ力の現状を示す「点」と限界を示す「円」で可視化している。「点」はタイヤ力が働く向きに応じて上下左右に動く。加速時には車両の進行方向に点が移動し、車両が右に曲がると点は左に移動する、といった具合だ。一方の「円」は安全走行のために必要なタイヤ力の限界値を示している。「点」が「円」の内側にとどまっていれば問題ないが、外側に出てしまうとタイヤがスリップしやすい危険な状態に陥ったことを意味する。

「タイヤ力」は円と点によって可視化される[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE 「タイヤ力」は円と点によって可視化される[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE

 榊原氏は、タイヤ力のセンシング技術は他の技術と組み合わせることで、より効果的に安全走行の支援が行えるようになると説明する。「例えば自動ブレーキ技術と組み合わせた場合、あらかじめタイヤ力を適切に把握できていれば、車両の制動距離をより正確に予測できるようになる。障害物の手前で停止し切れないと予測したら、『停止ではなく回避行動をとるべきだ』と運転手に提案する仕組みづくりも可能になる」(榊原氏)。

 なお同氏は、タイヤ力センシング技術を用いた製品やサービスの市場投入時期を明らかにしなかった。

他の技術と組み合わせることで、さまざまな形で安全運転の支援が可能になる[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE 他の技術と組み合わせることで、さまざまな形で安全運転の支援が可能になる[クリックで拡大]出典:TOYO TIRE

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