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» 2020年02月26日 06時00分 公開

自動車メーカー生産動向:自動車メーカーの2019年のグローバル生産、販売を振り返る (1/3)

日系乗用車メーカー8社の2019年の生産実績は、トヨタ自動車とダイハツ工業の2社が過去最高となり、年間世界生産台数の記録を更新した。一方、その他の6社は前年実績を割り込んだ。販売ウエートの大きな中国や東南アジアなどの市場が低迷する中、唯一国内販売が好調だったトヨタグループ2社が生産台数でも伸長しており、改めて国内市場の重要性を示した結果ともいえそうだ。

[MONOist]

 日系乗用車メーカー8社の2019年の生産実績は、トヨタ自動車とダイハツ工業の2社が過去最高となり、年間世界生産台数の記録を更新した。一方、その他の6社は前年実績を割り込んだ。販売ウエートの大きな中国や東南アジアなどの市場が低迷する中、唯一国内販売が好調だったトヨタグループ2社が生産台数でも伸長しており、改めて国内市場の重要性を示した結果ともいえそうだ。

 2019年の世界生産台数を分析すると、8社中6社が前年割れであり、2019年の自動車市場は世界的に厳しい状況だったことが分かる。中でもスズキは世界生産台数の約半数を占めるインドで2桁減と大きく台数を落とした他、日産自動車は北米や中国、日本、アジアなど主要市場の全てが前年割れと厳しい状況で落ち幅が目立った。

 国内生産は、国内販売が好調に推移したトヨタとダイハツ、輸出割合の大きなマツダの3社がプラス。海外生産は、マレーシアの販売が好調なダイハツと、北米でプラスを確保したSUBARU(スバル)の2社が前年を上回った。

日系自動車メーカーの生産実績
2019年12月 2019年1〜12月
国内 海外 合計 国内 海外 合計
トヨタ 237,631 422,905 660,536 3,415,864 5,637,653 9,053,517
▲ 1.1 1.8 0.7 8.8 ▲ 1.9 1.9
ホンダ 50,724 312,280 363,004 843,056 4,327,539 5,170,595
▲ 38.0 ▲ 8.1 ▲ 13.9 ▲ 5.4 ▲ 3.1 ▲ 3.5
日産 61,201 300,545 361,746 807,744 4,150,456 4,958,200
▲ 18.1 ▲ 8.0 ▲ 9.9 ▲ 13.2 ▲ 8.9 ▲ 9.6
スズキ 80,342 150,895 231,237 946,768 2,109,092 3,055,860
▲ 4.9 4.4 1.0 ▲ 6.6 ▲ 12.9 ▲ 11.1
ダイハツ 78,334 51,660 129,994 953,541 765,301 1,718,842
2.8 ▲ 14.6 ▲ 4.9 2.4 1.0 1.7
マツダ 72,156 42,855 115,011 1,010,275 477,642 1,487,917
▲ 17.1 23.0 ▲ 5.7 1.4 ▲ 20.5 ▲ 6.8
三菱 52,024 59,363 111,387 619,464 749,135 1,368,599
▲ 9.1 ▲ 16.6 ▲ 13.3 ▲ 8.4 ▲ 3.8 ▲ 5.9
スバル 57,741 25,627 83,368 618,764 368,519 987,283
11.6 ▲ 2.1 7.0 ▲ 6.2 2.5 ▲ 3.1
合計 690,153 1,366,130 2,056,283 9,215,476 18,585,337 27,800,813
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、%

 メーカー別に見ると、トヨタはグローバル生産台数が905万3517台で前年比1.9%増と2年ぶりに前年実績を上回り、過去最高を更新した。国内生産は同8.8%増の341万5864台と2年ぶりのプラス。国内向けが堅調に推移した他、新型「RAV4」や北米向け「カローラ」などがけん引した。一方、海外生産は同1.9%減の563万7653台と2年連続で減少した。地域別では、主力の北米生産が同3.8%減の185万5805台と3年連続のマイナス。このうちメキシコはプラスだったものの、米国が同3.8%減、カナダも同5.9%減だった。強みとする乗用車販売が米国で落ち込んだ他、カナダでカローラからRAV4ハイブリッドへ生産車種を切り替えたことも減少の要因となった。

 トヨタはアジアでは同0.02%減の257万331台と前年並みをキープした。このうち中国は市場減退が続く中、同6.6%増の140万4305台を生産し、過去最高を更新した。「IZOA/C-HR」や「アバロン」などの新型車の追加がプラスにつながった。ただ、タイが景気低迷で同3.1%減、インドネシアが大統領選前の買い控えなどで同12.7%減と東南アジアの台数が減少しており、アジア全体としては中国のプラスを相殺する格好となった。通貨安など景気低迷が続く中南米は同10.5%減と振るわなかった。一方、欧州は同0.4%増と2年ぶりに増加に転じた。一部ハイブリッド車(HV)の部品供給がひっ迫しているものの、カローラシリーズの好調によりプラスを確保した。

 2019年12月単月では、トヨタはグローバル生産が前年同月比0.7%増の66万536台と3カ月ぶりのプラスとなった。国内は消費増税の影響による販売減少などもあり、同1.1%減の23万7631台と3カ月連続のマイナスだった。一方、海外は同1.8%増と7カ月ぶりにプラスに転じた。北米は減少したものの、中国や欧州が2桁増と海外生産をけん引した。

ダイハツ

 ダイハツも好調だ。グローバル生産は、前年比1.7%増の171万8842台と4年連続の増加となり、国内、海外ともに過去最高を更新した。このうち国内は、同2.4%増の95万3541台で4年連続のプラス。中でも登録車は「ロッキー」とトヨタ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ライズ」の小型SUV兄弟車が純増となり同12.0%増で大幅に伸長し、過去最高を更新した。一方、軽自動車は同1.1%減とマイナスだった。海外は同1.0%増の76万5301台と2年連続で増加した。マレーシアの「プロドゥア」ブランド車の生産が過去最高となったものの、インドネシアは市場減退によりマイナスだった。

 2019年12月単月のグローバル生産台数は、前年同月比4.9%減の12万9994台と3カ月連続で減少した。国内は同2.8%増の7万8334台と3カ月ぶりのプラス。ロッキー/ライズ効果の登録車が同51.9%増と急増し、12月の国内生産として過去最高を記録した。海外は同14.6%減の5万1660台と3カ月連続のマイナス。マレーシア、インドネシアは共に減少した。

ホンダ

 ホンダのグローバル生産は、前年比3.5%減の517万595台と8年ぶりに前年割れとなった。国内生産は同5.4%減の84万3056台で、2年ぶりのマイナスだった。国内販売で軽自動車が主力となっているホンダにとって痛手なのが、19年8月にフルモデルチェンジした軽自動車「N-WGN」が電動パーキングブレーキの不具合により9月から生産を停止している件だ。年間生産台数にもその影響が大きく表れた格好だ。

 海外生産は同3.1%減の432万7539台と8年ぶりに減少した。主力市場の北米は「CR-V」などSUVの販売は好調だったものの、「アコード」などの減少により同0.2%減の181万7191台と微減で、3年連続のマイナス。米国単体では同2.9%減と2年ぶりの前年割れだった。アジアはインドやタイの減少により同2.7%減と8年ぶりに減少へ転じた。唯一好調なのが中国で、同4.3%増と7年連続で増加し、過去最高を更新した。CR-Vや「ヴェゼル」などに加えてアコードも好調だった。

 2019年12月単月は、グローバル生産台数が前年同月比13.9%減の36万3004台と5カ月連続で減少した。国内はN-WGNや発売を延期した新型「フィット」などの影響により同38.0%減の5万724台と大幅なマイナス。4カ月連続で前年同月を下回った。海外も同8.1%減の31万2280台で3カ月連続の減少。北米は同18.6%減、欧州は同38.8%減と大幅減が目立つ。一方、アジアは同0.2%増と7カ月ぶりにプラスへ転じた他、中国も5カ月連続で増加し、12月として過去最高を記録した。

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