VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
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» 2020年02月28日 13時00分 公開

メカ設計用語辞典:AR(拡張現実)

メカ設計者のための用語辞典。今回は「AR(拡張現実)」について解説する。

[小林由美,MONOist]

AR(拡張現実)

 「AR」は“Augmented Reality”の略であり、「拡張現実」と訳す。コンピュータグラフィックスや音声などを用いて、人が視覚や聴覚などで感じ取る現実を拡張するかのような体験をもたらす技術を指す。ARはスマートフォンやタブレット端末などの画面で見るタイプと、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を付けて視界に没入するタイプのものがある。

 コンピュータグラフィックスのデータが作る世界に没入する体験をもたらす、VR(Virtual Reality:仮想現実)と近しい技術である。VRはコンピュータグラフィックスによる完全デジタルの仮想世界に没入する体験である一方、ARは人が実際に見ている現実世界にコンピュータグラフィックスの画像や音声を付加した世界を体験するものである。ARは現実世界と仮想世界の相互作用を考慮しなければならないことから、VRよりも技術課題の難易度が高いとされている。

 ARの有名な事例としては、スマートフォン向けのGPS位置情報ゲーム「Pokemon GO(ポケモン ゴー)」がある。このゲームでは、ゲームから指示された特定の場所で、スマートフォンのカメラ越しに目の前の風景を移すと、キャラクター(ポケモン)が現われる仕組みになっている。

 製造業においては、技術者のトレーニングや安全教育などでARが活用されている。作業している手元にデジタルのマニュアルを表示する、実機にデジタルの部品情報を重ねて表示するといったことが行える。

 MR(複合現実)は、ARをさらに高度化したような技術である。MRは、現実世界の中での3Dデータの存在感が強く、例えば3Dデータに触覚を付加した体験も提供できる技術を指すこともある。しかし、ARとMRの明確な境目の定義は今のところはないとされ、両者のグレーゾーンがある。その時々で、ARと呼ばれたりMRと呼ばれたりするような製品も存在する。

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