増えるWeb面接、合格率下降ぎみ――新型コロナウイルスで採用現場にも変化モノづくり業界転職トレンド(18)(1/2 ページ)

さまざまな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。製造業も例外ではなく、採用現場でもWeb面接化や合格率の下降傾向など変化が表れている。このよう状況下における転職活動について、転職コンサルタントに話を聞いた。

» 2020年03月09日 09時30分 公開
[杉本恭子MONOist]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、私たちの仕事にも生活にも、さまざまな影響を及ぼしている。部品の調達や、海外拠点の稼働状況など、製造業も例外ではない。では中途採用の状況や選考方法などにも、影響は現れているのだろうか。自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャーの関寺庸平氏に、採用状況の変化や各社の対応を聞いた。

photo クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャーの関寺庸平氏。今回の取材は、記事テーマと同様にパソコンを使ったビデオ会議ツールで行った

面接はWeb面接に。合格率は若干下降ぎみ

 関寺氏は「あくまでも現時点(2020年3月4日取材時)の状況だが、結論から申し上げると、採用は各社の計画に則り、これまでどおり継続して行われている。ただ『3月はいったん面接を見合わせる』という慎重な判断をしている企業も、数社のみではあるが出てきている。今後の景気動向や生産状況を見通せないことが理由だ」と現在の状況を語る。

 新型コロナウイルスという想定外の事態ではあるものの、採用を行っている企業が人を必要としていることに変わりはない。仮に今は生産が滞っていたり、他に対応しなければならないことが多々あるとしても、中長期的には人材不足による事業への影響は大きいため、採用を止めてしまうとは考えにくい。関寺氏は「とはいえ、今後各社がどういう判断をするかは分からない。相談に来られる方には『具体的に興味のある会社があるならば、早めにアプローチした方がいい』とアドバイスしている」という。

 選考方法はどうだろう。「ほとんどの企業が、ビデオ通話、ビデオ会議などの仕組みを利用したWeb面接に切り替えている」と関寺氏。昨今は、海外とのミーティングなどにビデオ会議を利用することも多いため、企業側、求職者側ともに、スムーズに対応できているようだ。しかし「うまくつながらない」ということもあり、急きょ、電話面接に切り替えられることもあるという。

 一方、合格率に関して関寺氏は「まだ明確な傾向というほどではないが、合格率が若干下がっているという印象。Web面接によるミスコミュニケーションもあるかもしれないが、以前からの景気後退局面が加速するのではないかという懸念から、採用基準が引き締められている可能性がある」と指摘する。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.