日本 ものづくりワールド 2020 特集
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» 2020年03月12日 11時00分 公開

日本ものづくりワールド 2020:3Dプリントした樹脂型と切削加工で短納期かつ高品質な試作/小ロット生産を実現

C&Gシステムズとローランド ディー.ジー.は「日本ものづくりワールド 2020」内の「第2回 次世代3Dプリンタ展」に共同出展し、スワニーが考案する「デジタルモールド」とNC加工を組み合わせた、精度試作および小ロット生産向け成形技術「デジタルモールドNC」を訴求していた。

[八木沢篤,MONOist]

 C&Gシステムズとローランド ディー.ジー.は「日本ものづくりワールド 2020」(会期:同年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第2回 次世代3Dプリンタ展(AM Japan)」に共同出展し、スワニーが考案する「デジタルモールド」とNC加工を組み合わせた、精度試作および小ロット生産向け成形技術「デジタルモールドNC」を訴求していた。

C&Gシステムズとローランド ディー.ジー.のブース外観 C&Gシステムズとローランド ディー.ジー.のブース外観 ※画像提供:スワニー [クリックで拡大]

 デジタルモールドとは、Stratasys(ストラタシス)のPolyJet方式3Dプリンタで造形した樹脂製の型(以下、樹脂型)を用いた成形技術のことである。樹脂型の材料は、耐久性と耐熱性の高いストラタシスの「デジタルABS(デジタルマテリアル)」が使用され、ABS、PS、POM、PPなどの熱可塑性樹脂を射出成形することが可能だ。3Dプリンタで型を製造できるため、従来の金型製作と比較して、時間とコストを大幅に削減できる。また、量産品と同じ材料で射出成形可能であるため、短期間での試作や小ロット生産のニーズにマッチする。

樹脂型成形サンプル 【画像左】左が「デジタルモールドNC」、右が通常の「デジタルモールド」の樹脂型。表面層の仕上がりの違いがよく分かる。条件にもよるが数百個程度であればデジタルモールドで成形可能だという/【画像右】展示ブースでは、切削加工機「MDX-540S」のロータリーハンドルの交換用パーツを、デジタルモールドNCで試作/小ロット生産するデモンストレーションを披露していた[クリックで拡大]
白い部品が「デジタルモールドNC」で作ったロータリーハンドル 白い部品が「デジタルモールドNC」で作ったロータリーハンドル ※画像提供:スワニー[クリックで拡大]

 これに対し、デジタルモールドNCは、デジタルモールドを実現する樹脂型の表面層(製品・部品の意匠面)や重要寸法形状を卓上切削機などで仕上げ、成形する部品の品質や精度を向上させる技術である。「樹脂型を切削加工で仕上げることで、3Dプリンタの造形物特有の積層痕をなくし、切削加工と同等品質かつ同等精度の型製作が可能となる。これにより、シビアな仕上がりや寸法精度が求められる試作/小ロット生産を、金型による量産に限りなく近い形で実現できる」(説明員)。

 展示ブースでは、デジタルモールドNCを実現するPolyJet方式3Dプリンタ(ストラタシスの「Objet260 Connex」)、CAMソフトウェア(C&Gシステムズの「Craft MILL」)、切削加工機(ローランド ディー.ジー.の「MDX-540S」)、射出成形機(Rambaldiの「Babyplast」6トン機)を並べ、デジタルモールドNCで作られた樹脂型を用いた試作/小ロット生産のデモンストレーションを披露していた。

動画 スワニーのWebサイトで公開されている「デジタルモールドNC」の解説ムービー(出典:スワニー)

 また、デジタルモールド(3Dプリンタ製の樹脂型)とアルミ型を組み合わせたアプローチも提案。「例えば、強度が必要な部分のみをアルミ型にして、複雑で型製作に時間のかかる部分をデジタルモールドに置き換えることで、迅速な試作/小ロット生産が可能になる。また、意匠面のデザインや形状に変化を持たせ、複数バリエーションの試作/小ロット生産を行いたい場合なども、部分的にデジタルモールドを使用することで対応できる。樹脂型とアルミ型のハイブリッドにより、(条件にもよるが)1000個以上の小ロット生産も可能だ」と説明員は述べる。

「デジタルモールド」による試作/小ロット生産の可能性を示すサンプルも多数展示されていた 「デジタルモールド」による試作/小ロット生産の可能性を示すサンプルも多数展示されていた ※画像提供:スワニー[クリックで拡大]

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