設備の新旧やメーカーを問わずに導入できるIoTセンサープラットフォーム開発スマートファクトリー

名張ホールディングスは日本電子計算と共同でIoTセンサープラットフォーム「ParaRecolectar」を発売する。メーカーや新旧を問わず生産設備から振動や温度などのデータを収集可能。

» 2020年04月09日 08時00分 公開
[池谷翼MONOist]

名張ホールディングス(以下、名張HD)は2020年4月7日、日本電子計算(以下、JIP)と共同開発した製造現場向けのIoT(モノのインターネット)センサープラットフォーム「ParaRecolectar」を同年4月13日に発売すると発表した。

「ParaRecolectar」はIoTセンサーやデータ分析アプリなどで構成される製品[クリックして拡大]出典:名張HD、JIP 「ParaRecolectar」はIoTセンサーやデータ分析アプリなどで構成される製品[クリックして拡大]出典:名張HD、JIP

 現在、製造業ではIoTを導入して生産設備の状況をデータ化し、課題の可視化や監視工数の削減を図る取り組みを進めている。一方で工場に導入されている設備は、メーカーや導入時期にばらつきがあることから、センサーの設置方法や収集データの分析方法に課題を抱えるケースも少なくない。

 これらの課題解決に向けて名張HDは、生産設備の新旧やメーカーを問わずに後付け、かつ、工具不要で設置できるIoTセンサーを開発した。設備の任意の箇所にIoTセンサーを設置することで、振動、温度、電流、気圧、湿度などのデータを収集できる。

 収集したデータはLANケーブル経由でデータの記録、蓄積用デバイスに送信し、JIPが開発したデータ分析アプリ「ParaReco Visualizer Lite」で処理を行う。同アプリでは収集したデータから標準グラフや管理図、簡易的な高速フーリエ変換に基づく周波数解析など多彩なグラフを作成し、機器の状態を可視化する。

 また、データの内容から故障の予兆を検知した場合には、すぐに使用者に知らせる仕組みとなっており、大きな手間をかけずに生産設備の適切なメンテナンスが行える。

 名張HDとJIPは今後も共同で、AI(人工知能)技術の1つである機械学習を導入することで故障検知の精度向上を図る他、クラウド版の開発を進めていく予定だという。

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