設計や解析も! NVIDIAが提案する理想のテレワーク環境のあり方とはメカ設計ニュース(1/2 ページ)

NVIDIAは、利用が急増するテレワークを題材としたオンラインセミナー「急務 BCP(事業継続)対策! パンデミックでの緊急出社制限で露呈 すべての業務を継続できるテレワークを実現するには!」を開催し、同社の仮想GPU(vGPU)ソリューションの有効性について説いた。

» 2020年04月17日 11時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 エヌビディア(NVIDIA)は2020年4月14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴い利用が急増しているテレワークを題材としたオンラインセミナー「急務 BCP(事業継続)対策! パンデミックでの緊急出社制限で露呈 すべての業務を継続できるテレワークを実現するには!」を開催し、同社の仮想GPU(vGPU)ソリューションの有効性について説いた。

実現できないことが多過ぎる!?  不十分なテレワーク環境

 COVID-19の感染拡大を抑制するため、日本国内でも2020年4月7日「緊急事態宣言」が発令され、多くの企業でテレワークを選択する動きが活発化し始めた。しかし、現実には十分なテレワーク環境が整備できておらず、自宅からでは業務を継続できず、無理矢理にでも出社しなければならない状況に陥っている企業も少なくない。これでは従業員の感染リスクが高まり、感染拡大の抑制も難しくなってしまう。こうした実情を踏まえた上で、エヌビディア エンタープライズ事業部 GRIDビジネス開発マネージャーの後藤祐一郎氏は「BCP対策の観点から、全ての業務を継続できるテレワークの実現が急務となっている」と警鐘を鳴らす。

 テレワークの活用に関しては、COVID-19が流行する以前から増加傾向にあり、特に情報通信業、金融・保険業などを中心に導入が進んでいた。これがCOVID-19の感染拡大に伴う危機的状況を受け、一気に多くの産業分野にも広がったわけだが、これまでのテレワークは育児や介護の際に利用する一時的な業務支援の意味合いが強く、(その多くが)最低限のスペックで利用するために用意された環境のため、普段から定常的に満足して使えるものではなかった。そのため、テレワークに対して「『実現できないことが多過ぎる』といったマイナスのイメージが植え付けられてきた」と後藤氏は述べる。

テレワークの導入状況について テレワークの導入状況について ※出典:エヌビディア [クリックで拡大]

 こうしたことから「定常的に利用可能なデスクトップ環境の選定が重要だ」(後藤氏)とし、テレワークで重要なデスクトップ環境として、「物理PC」「オンプレミスVDI」「クラウドVDI(DaaS:Desktops as a Service)」の3つを比べ、「導入スピードはかかるが、仮想環境でのスペック変更が可能な柔軟性、そして、設計や解析などワークステーション活用を前提とした幅広いユーザーにも適用できるという意味で、VDI(デスクトップ仮想化:Virtual Desktop Infrastructure)の活用が最も効果的だろう」(後藤氏)との見解を示す。

テレワークで重要なデスクトップ環境について テレワークで重要なデスクトップ環境について ※出典:エヌビディア [クリックで拡大]

 VDI自体はテレワークの手段の1つとして、既にビジネスの現場で浸透しており、ネットワークを介して、自分に割り当てられた仮想デスクトップ環境に接続して利用できるものだ。しかし、「遅くて使い物にならない」「画面がよく固まる」「動画再生やビデオ会議が使えない」といった声も聞かれ、「VDI利用は最低限の業務のみにとどめ、結局、大半の仕事は物理PC上で行われているというケースが多くみられる。これこそが、テレワークが定常的に満足して使えないことの表れだ」と後藤氏は指摘する。

 そして、あらためてテレワークの定着のためには、全ての人が自宅で仕事ができる環境を整備する必要があり、「ただ利用できるだけではなく、生産性が上がる戦略的な仮想ワークスペースを整備しなければならない」と後藤氏は訴える。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.