特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2020年05月18日 11時00分 公開

スマートファクトリー:製造現場で活躍広がる「画像×AI」、どういう場で生きるのか (2/2)

[長町基,MONOist]
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検査工程、生産工程などでの画像AIによる成功事例

 この中で、検査工程における品質・生産性向上の具体例として、不良品検出で活用されたケースを紹介した。

 検査工程では人間が目視で検査する工程で画像AIの活用により品質向上、生産性の向上を実現させようとするケースが多い。その事例では、それまでは3倍鏡を使った目視で1次検査を済ませ、微妙な判定となるもののみ2次検査では30倍鏡で目視検査を行っていた。これが3倍鏡画像における学習済みAI、30倍鏡画像における学習済みAIの2つのAIモデルを用意し、これらを活用することで、1次検査、2次検査をAIが実施できるようにした。人手による作業は、最終チェックを行うだけに削減できたという。

photo 検査工程における画像AI適用の事例(クリックで拡大)出典:グルーヴノーツ

 また、生産設備の異常検知については、生産設備のセンサーデータ(振動、音、湿度など)と画像データを組み合わせたマルチモーダルAIの活用により、センサーデータのみの異常検知よりも精度の高い異常検知を実現する。

 例えば、ある生産現場では、突発的な生産設備の故障によりダウンタイムが発生し、生産計画に大きな影響を与えることが課題になっていた。これがマルチモーダルAIによって設備の異常を検知することができるようになった。検知した異常状態に基づいて適切なメンテナンスをすることで、ダウンタイムを軽減し、生産計画への影響を回避できるようになったという。

 この取り組みは電気機器の大手製造業で、設備の温度の数値情報と外観画像を組み合わせたマルチモーダルAIを活用した導入事例がある。わずか3カ月のプロジェクトで、マルチモーダルや数値分類、画像分類、物体検出などのAIモデルを複数構築して検証した。その結果「ベテラン担当者に属人化していた故障予兆を、AIで代替することで業務効率を向上し、運用品質も確保できた」(岩野氏)という。

photo 生産設備における異常検知についてのAI適用の事例(クリックで拡大)出典:グルーヴノーツ

 従業員の安全管理などで活用するケースもある。ポーズ推定AIの活用により、予期できない事態発生の未然防止、迅速な対応により従業員の安全をサポートする。「これまで工場内での禁止行為によるケガの発生やベテランの1人作業時において予測できない事態が発生しても気付きようがなかった。これらの事態を物体検知/ポーズ推定AIにより、未然防止し、迅速な対応により従業員の安全向上を図ることができる」と岩野氏は述べている。

photo 従業員の安全管理についてのAI活用事例(クリックで拡大)出典:グルーヴノーツ
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